長野県果樹試験場と上小農業改良普及センターは、上小地域の「出張果樹試験場」を東御市で開いた。同地域はJA信州うえだ管内でブドウ栽培が盛ん。今回はブドウ農家やJA関係者が一堂に会し、消費者ニーズの高い無核(種なし)ブドウをさらに生産拡大する方針を確認した。
同JA管内の上小地域は果樹栽培が盛んで、ブドウは同JAの果樹生産額の4割を占める重要品目。有核(種あり)「巨峰」の生産を主体に産地が発展してきた歴史がある。ただ、有核巨峰は近年は価格の低迷や収穫の不安定さが課題となっており、時代にあった品種として無核ブドウの導入が不可欠となっている。
無核ブドウは消費者の嗜好(しこう)調査を通じて「皮ごと食べられる」「種がなくて食べやすい」という理由から、人気トップに名を連ねる。「出張果樹試験場」では、消費者ニーズに対応して収益を確保し、産地を維持していくために無核化の生産振興方針を生産者全員で共有した。
同JAは2005年度から無核ブドウを本格導入。12年度までの実績は、苗木導入が6092本、栽培面積は約30ヘクタール。現在は無核品種の生産量が全体の約4割で、15年度には5割を目標としている。