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夏ハクサイ転換を検討、10品目を試作、タマネギ有力 | 県内JAの話題 | JA長野県グループ「農」のポータルサイト いいJAん!信州

作成者: Admin|Aug 7, 2013 3:00:00 PM
ハクサイに替わる品目を検討する関係者ら

長野県佐久地方の県機関とJAグループでつくる佐久園芸生産振興協議会は、南佐久地域における7、8月どりハクサイの適正生産と多品目化を促すため、川上村の試験圃場(ほじょう)で転換品目の栽培試験を進めている。今年度は10品目を検討する中、春に定植したタマネギが品質、収量とも良好で、関係者は今後の有力品目として注目している。
行政関係者とJA関係者、ハクサイ生産者、新規就農者ら約40人が現地で検討会を開いた。同協議会は今年度、タマネギやセルリー、スナップエンドウ、ホワイトコーン、加工用トマトなど10品目32品種を栽培してきた。試験地は1250メートルの高標高地にあり、冷涼な気候などの立地条件を生かして従来と異なる作型も試行した。現時点で仕上がりの良い品目の一つとして期待されるのがタマネギだ。
低標高地では秋に定植して冬を越し、6月ごろに収穫する作型が一般的だが、試験栽培では5月に定植して早くも夏に収穫できる。ハクサイ、レタスと同様の全面マルチによる生育は順調で、冷涼な気候のため従来より株間を狭くしても高い品質が得られた。
今年度のハクサイ販売は良好に推移しており、同協議会の関係者の多くは、生産者が適正生産に取り組んだ結果だと受け止めている一方、作柄不良も少なからず影響しており、決して楽観視できない状況だとする指摘もある。
現行の作業体系と機械装備を使い、なるべく手間が掛からない品目を望む生産者の実情を踏まえ、県園芸畜産課は「南佐久南部には農業の基盤、人材、技術がある。ハクサイの適正生産を大前提に、多品目化ができればマーケットにもさらに魅力のある産地となる」と期待する。