弁当や総菜宅配で存在感 高原の農家食堂

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JAながの金融店舗を改装した「笑みの里 かあちゃんち」

野菜など農産物をつくった人が直接調理をして提供する「農家食堂」は、究極の地産地消の一つでしょう。JA女性部を中心に、真心込めた〝手作り〟の味で既存の飲食店にない魅力を伝えようと工夫しています。そんな「農家食堂」をシリーズでお伝えします。

地元食材で手作りのおいしさを

笑みの里 かあちゃんち(信濃町)

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国道18号を北上。西側にそびえる黒姫山(左)、新潟県側の妙高山(右)が迫る

今回は信濃町の「笑みの里 かあちゃんち」をご紹介します。
長野市街地から車で30分余。飯縄、黒姫、妙高の山々が眼前に迫る信濃町古間地区は、江戸時代の俳人・小林一茶のふるさとです。
「笑みの里 かあちゃんち」は、JAながの金融店舗を改装して始まった食堂兼農産物直売所で、今年で7年目。地元の食材を使った手作りのおいしさを前面に、弁当や総菜の宅配にも力を入れ、営業を続けています。

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企業研修でもちつき体験も。代表の福沢妙子さん(左)が合いの手を務めながらつき方のアドバイス

訪ねた4月半ばは、同町が進める「癒しの森事業」を利用して、都内の企業が町内で毎年開いている新人研修に昼食を提供していました。食事前には玄関前で、もちつき体験。ついたもちは早速、雑煮やきなこ・あんころもちにして、食卓に花を添えていました。材料のもち米やきな粉、大豆・小豆はもちろん地元産です。

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ついたもちは雑煮ときな粉、あんころもち(左)にして早速、食卓に提供。盆に載っているのが「かあちゃん定食」(ご飯とみそ汁が付いて750円)

1、食材は、地元農家の新鮮野菜を出来るだけ使ってすべて手作りです。
2、地域に根差した「郷土食」を取り入れるように心がけています。
3、食事には、信濃町産のお米と大豆を使っています。自慢の米粉うどんは、「信濃町産のあきたこまち」を町内で農家自ら製粉して毎日手打ちをしています。(もちろん、豆腐や味噌は100%地元産)
4、味付けは、昔からのやさしいおふくろの味にこだわっています。

テーブルには「笑みの里 かあちゃんちのこだわり」と記したプレートが置いてありました。
その日の食材で担当者ごとに創意工夫を凝らした「かあちゃん定食」(750円)や米粉を使ったうどん(540円)が名物です。

開設を主導し、現在も野菜や豆腐など食材の手配に気を配る同JA元理事の小板橋芙巳江さんは、「冬場など寂しい営業になってしまう時もありますが、手作りのおいしさが認められ、各種会合や人手を必要とする農作業の際の弁当、総菜の注文で一息ついています。メンバーが楽しんでいるのが何よりです」と打ち明けます。

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運営に携わるメンバーは現在6人。時々入る早朝の弁当作りなど、体力的にはきつい場面もありますが、口々に「調理場は楽しい」と語ります。JA女性部の事務局を務めた縁で代表に就いている福沢妙子さんは「丹精込めて作る料理が縁で、シーズンになると近くの国際村からたくさんの外国人客が来るなど、いろいろな人が来て、さまざまな関わりが生まれ、張り合いになっています」と笑顔です。
好みが分かっている客の場合、事情に合わせて盛り合わせる料理や弁当の内容を調整するなど、臨機応変の対応は小所帯ならでは。地域の要望に細かく応えて存在感を示しています。

人気の「かあちゃん定食」は、地元の旬の食材を使っており、時期によって食材もメニューもどんどん変わるので、毎回注文するのが楽しみなメニューです。町内に地元産大豆で豆腐を作るグループがあり、そこから仕入れた豆腐を使った「豆腐のコロッケ」もイチオシ。どうぞ満腹になってください。

笑みの里 かあちゃんち

  • 長野県上水内郡信濃町古間802
  • TEL 026-254-8371
  • 営業時間 11:00~14:00
  • 定休日 水曜日
この記事を書いた人

昭和人Ⅱ

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