松野さんの農事録
[松野さんの農事録]

田舎で暮らそ。移住女子の就農奮闘記 Vol.9

奈月さん農事録

 

とうとう12月になってしまいましたね!
北信州でもすでに何度か雪が降りました。もう完全に冬です。
ふじの収穫もようやくゴールが見えてきましたヽ(`⌒´)ノ

 

りんごの価値

ふじは樹にいる時間が長い分、愛着もひとしおです。特に今年は台風の影響もあり、最後の収穫まで迎えられたりんごには感謝の気持ちでいっぱいです。
ここで気になるのがりんごの価格。
皆さんはいくらくらいが妥当だと思われますか?
私はこっちに移住するまで、正直りんごを自分で買ったことはありませんでした。それでも、この時期になれば絶対に店頭に並ぶりんご、なんとなく1玉100円とか150円とか、そういう価格で販売されていた印象だけは残ってます。
私がりんご作りに興味を持ったきっかけの一つが、ある農家さんの一言でした。

「1日で作れるケーキが500円、丸1年手間暇かけて作るりんごが100円ってどう思う?」

最初はあまりピンとこなかったのですが、自分も農業に少しずつ関わるようになって、今ならわかります。りんごの価値があまりにも低すぎることに。
スーパーで1玉100円ということは、生産者の利益は恐らく30円ほど。
ここから消毒代やら機材のリース代やらを引いていくと、りんご1玉でどれほどの利益がでているのかは、考えると少し悲しくなります(._.)
だからと言って、量をたくさん作ればいい!という訳ではなく、より良いものを作って少しでも価値を上げて正当な価格で販売をする。それが絶対的に必要なんだと思います。

 

りんごが背負っているもの

奈月さん農事録

 

りんごだけではないですが、農産物が食卓に並ぶまでにはたくさんの人の手が掛かって、
そこには生活があって、それぞれに想いがのっかっています。
「親から受け継いだ畑を守っている農家さん」「お嫁に来て慣れない土地で頑張ってる農家さん」「本当は農業なんてやりたくないけど家が代々農家だから仕方なく...」という農家さんもいらっしゃると思います。
果物や野菜やお米を食べられるのは決して当たり前でもなく、簡単なことでもなく、その背景になにがあるのか、農産物はどんな想いを背負って世にでているのか...。
そんなことを考えながら食べるとまた各段に、美味しく感じられるんですよね(*´﹀`*)

 

畑の冬支度

そんなこんなで、収穫で大忙しのこの時期ですが、忘れず畑の冬支度も!
3歳の桃の樹に、寒凍害対策のためにワラを巻きました。
もう少し太くいっぱい巻けばよかったかな?と思いながら、無事に冬を越してくれることを祈ります<(_ _)>

奈月さん農事録

 

では皆さま、少し気が早いですが...
春から私の農事録にお付き合い頂きありがとうございました。
どうぞ良いお年をお迎えください♪

 

この記事を書いた人

松野奈月さん

「子どものころに家族で訪れた思い出の地・北信州に住みたい」。県北部の中野市で「地域おこし協力隊」として2年近く活躍してきた大阪出身の松野奈月さん。農業と切り離せない地域の生活や人との出会いを通じて、ついにりんご農家になる決意をしました。

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