浦部さんの農事録
[浦部さんの農事録]

新しく農家になったふたりの農事録 第21回

連載※長野県北安曇郡松川村の浦部勇一さんと同い年の千代美さんご夫妻に、昨年から引き続き月々の農事などを伝えていただいています。浦部勇一さんは2005年から長野県が行う里親支援制度に登録し、昨年の4月に独立された新規就農者です。ご夫婦は5年ほど前に長野県に移住してこられました。

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稲穂を見おろす有明山

ごろごろ・・・
ゴロゴロ・・・
ぽっつ、ぽっつ、
ポツポツ、ポツポツ、
ザァーーーーーッ

わぁー今日も降ってきちゃった〜
それも短時間に一気!
今流行のゲリラ豪雨ってやつかな?
とりあえず自宅待機!・・・

結局今日の稲刈りは中止でした。

こんな感じで2008年度の稲刈りのスタート!
中止だったからまだスタートしてないって?
あ〜何だか先行き不安な予感かな???
まぁ、翌日には無事にスタート出来たので
大丈夫でしょう(祈)。

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月に入って・・・

今晩も夕食後、勇さんはいそいそとお出かけです。この時期の夜のお出かけはなにかと言うと・・・秋祭りでございます。

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夜な夜な鼠穴公民館に集まり、神様に奉納する獅子舞のお稽古です。昼間のハードな仕事の後に、いつもなら寝ている時間までのお稽古・・・、本当にお疲れ様ですm(__)m

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それにしても、いつの間に「こんな季節がやってきたの?」と・・・暑くてフラフラになった夏の日々を忘れてしまうような風が、吹きはじめました(日中は暑いけど)。田んぼを見ると、黄金に輝く稲穂たち! とんぼもたくさん舞いはじめましたよ〜。

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008年9月8日、酒米の美山錦から稲刈りスタートしました。今年は「早く慣れろ!」とばかりに、初日から勇さんもコンバインに乗せてもらって、最盛期にはバリバリとコンバイン2台で刈り取り(頼もしいのう)をしようという感じかな?

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しか〜し、刈り取りをする前にはやっておかなければいけない事があります。

その1、夏から続いていた草刈り・・・これは3回戦目を終了させておかなければなりませんが・・・さすが勇さんです! 丁寧な畦草刈りのお陰で田んぼの口開けと四隅刈りが楽チンです。

その2、田んぼの水管理・・・刈り取る時には勿論、水は払っておかなければなりません。

も今年の8月後半から9月初旬の天気は、なんとも予想しがたい荒れたお天気で、いざ稲刈りをしてみると、どこの田んぼもドロドロのぐちゃぐちゃ・・・ぜんぜん水の抜けていない田んぼそのものでした(汗)。

その3、コンバインの準備・・・親方のコンバインは2台、ちゃんと稼動するかチェックします。自分の身の安全にも係わるので機械の点検は慎重に! 元エンジニアの勇さんが得意な分野で〜す。

そして、その4、一番大切なお米の乾燥機掃除! これがまた大変な大仕事でして・・・勇さんツナギを着て頭にタオル巻いて、マスクして、高さが約10m位ある乾燥機の上に登って(ちょっと高い所は苦手)、ホコリを払い、外に排出するダクトを装着、試運転してやっと準備完了です。

細かく言うと籾摺り機掃除にダンプ囲い付けなどもありますがねぇ・・・

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んぼでは水払いの他に、コンバインの入り口と隅の部分の稲を事前に手で刈っておく(口開け)準備も必要です。

先日、親方の奥さんと2人で何枚かの口開けをしましたが・・・あの稲に触れた後のカイカイはどうも苦手ですねぇ(得意な人いないと思いますが)。

でもどうしてあんなに攻撃的にカイカイになるんでしょう?

きのうは刈った稲を乾燥機のピットにあけてホコリが舞ってそれが積っていたお米の袋を触ったら・・・もうかゆくてかゆくて石鹸で洗ったのにカイカイでした。

勇さんも毎日カイカイになって帰ってくるのでスグお風呂に直行です。今日洗濯しようとTシャツ持っただけでカイカイ攻撃にあいました・・・恐るべしカイカイ稲( ̄□ ̄;)ギョッ

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ぁ、秋のお祭りですが・・・

今年の「有明山社秋の大祭」は9月13・14日で、奉納行事獅子舞(鼠穴・南神戸合同と板取地区2つの獅子舞)は13日の夜にありました。

わたしは去年初めて見ることが出来てかなり感動しました。今年はもう少し色々な目線で見てきました・・・宵祭りは行灯で照らされた参道を提灯を先頭にお囃子が歩き奉納舞台まで進みます。舞台は有明山社の本殿に向かっていて本殿は舞台の在るところから2段上に位置しています。獅子舞の最中には雅楽の音が響く本殿で神事が行なわれていて、わたしが居る外の世界とは異なる空間に違う時が流れているように見えました。

鼠穴・南神戸の今年の獅子頭は20代前半の若いお獅子さんがデビューしました。1年目でこの舞台は立派です。彼がわたしたちの年までこの伝統行事を守るとしたら後20年は出来ますねぇ〜

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良かった良かった。ちなみに勇さんの舞った獅子舞は男踊りで板取地区の舞う獅子は女踊りだそうです。14日昼間には伝統的な浦安の舞も奉納されます。今年も多くの子供達が獅子舞を見に来ていました。将来はこの伝統行事を受け継いでいって欲しいと思いました。

秋祭りで豊作祈願をして、今年もなんとか秋の収穫がはじまりました。今のところ台風などの天災も無く稲も順調に育っています(ありがたやー)。

今後は秋晴れが続く事を祈って、カイカイにも耐えて、約1ヶ月間(長いなぁ)稲刈りがんばるぞー( ̄0 ̄)/ オォー!!

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たしは一応「まったりふぁーむ」営業担当なので・・・今年はホームページも製作中ですし、新米お知らせハガキも作らなくちゃ!早くしなきゃ冬になっちゃうよ〜

げ! いや〜な不安的中です( ̄□ ̄;)!!
コンバイン壊れちゃいました(≧(´▽`)≦
アハハハ・・・って、笑えないから・・(゜o゜;;)

野沢菜のタネも蒔き忘れてるし・・・って野沢菜はコンバインと同レベルかい? ハイ! 信州人にとってはかなり大切な事です・・・野沢菜漬けないと年越せないものね!!

ダンナのボソっと独り言

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(〃⌒ー⌒)/
もっ♪旦那です。
いよいよはじまりました"怒涛の稲刈り"です。
約40日間に渡る"戦争ごっこ"の開始です。(~_~;)
ですが、早くも問題発生。
コンバインが、重症です。(^^; σ( ̄。 ̄)

オイラが乗ってる時は問題なくスムーズに稼動してたんですが、たまたま別のオペレーターが乗った時に(親方じゃないですよ)稲が詰まって"バラシた"らしいんです。その時に部品をコンバインの稼動部に載せたまま確認をせずに稼動したようです。・・・結果・・・ほぼ、内部全損で、かなり"重症"です。5日位かかりそうです。間にあうのかや〜。(^。^;)

ま、毎年色々あるで、慣れっこだけど。ただ、今年はコンバイン随分と楽に操作できたんで、残念です。親方のコンバイン乗ってもいいけどそれじゃ無駄事だしね・・・。ま、コンバイン帰って来るまで辛抱です。しばらくは、手番で親方の仕事手伝いますわ・・。(^-^;

ま、手番も忙しいんで
いいんじゃなぁい??く( ̄△ ̄)ノ
ガンバレェェェ!! です!

この記事を書いた人

長野県北安曇郡松川村の浦部勇一・千代美さんご夫妻に月々の農事などを伝えていただいています。浦部勇一さんは2005年から長野県が行う里親支援制度に登録後、独立された新規就農者。おふたりは6年ほど前に神奈川県から長野県に移住してこられました。

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