古田さんの農事録
[古田さんの農事録]

農業が好き!地域が好き!古田さんちの安曇野LIFE:24

古田さん農事録

 

今回で、農事録を執筆して丸2年になります。
作業の内容だけでなく、私の想いなどもはさみつつ、24本も書かせていただきました。
お付き合いいただきありがとうございました。
なんて書くと最後のご挨拶のようですが、キリの良い月まで、ということで、来月までが古田の農事録でございます。
最後くらいきちんとしたものをお届けできたら。。。と思うのですが、どうなることやら。

古田の冬の過ごし方

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「明日の長野県農業を担う若人のつどい」

2月の作業は、先月と変わらず、剪定でございます。
ただ、イベントや引き受け仕事、研修、会議が多くなる季節。
今年も関わった「明日の長野県農業を担う若人のつどい」では、農大生と若手農業者のトークイベントの企画とコーディネーターを楽しみました。
今年もアツかった!! 信州の農業には未来があるよ。

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あと、作業の流れや経営を見つめなおし改善を図るため、セミナーにもいくつか参加しました。

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そんなこんなで畑に出られる時間が少ないので、畑にいるときは集中して急いで剪定! 剪定!
先月始めたときよりも慣れてきたので、素人ながらにも判断というか思い切りが良くなり、少しはスピードアップしているような気がいたします。
ただ、りんごの品種や木の年齢が変われば印象が異なるので、そんなときは探り探りやっております。

バレンタインにりんご

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今月は畑の話が暗くなりそうですので、まずは楽しい話題として、仲間の話をご紹介いたしましょう。(自分には楽しい話はあんまり無いのだ。。。)
先日、坊が保育園からりんごを持って帰ってきました。
聞くと、「うーちゃんぱぱきた。りんご。」とのこと。
どうも、同じ小倉でりんごを作っていて同級生の保護者でもある米山君が、バレンタインデーのプレゼントとして、ピンクレディーというりんごを園児ひとりひとりに配ってくれたようです。
(もちろん、坊の言葉から読み解いたわけではありません。)
粋なことするよねー。あいつ。

米山君に直接話を聞いてみると、地元の農産物を食べてもらいたい! という想いから3年前に始め、ひとりひとりに手渡しするのは今年が初めてだったそうです。
安曇野市三郷西部認定こども園は、小倉にある小さな園。
坊の様子を見ていてもわかるのですが、園の周りの畑道をお散歩したり、りんご狩りをさせてもらったり、自然や地域の人と触れ合うのが日常なんです。
そんな園に子どもを通わせるうちに、自分も子どもたちのために何かしたい! と思ったのがきっかけで、ピンクレディーをプレゼントしたところ大好評。
子どもを数年通わせるうちに学年をまたいで他の子たちの顔もわかるようになり、先生との信頼関係も築けたので、「3年目の今年は、ひとりひとりに手渡ししたい!」と園長先生に直談判したのだといいます。

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実際に手渡してみると、みんな知っているお父さんというのもあってかとても喜んでもらえ、「ありがとー」と自然に言ってもらえたそう。
中でも、長女に渡すときに「パパいつもありがとう。」と言われたのが超絶嬉しく、「本当にやって良かった〜と思いました!」とにこにこ話してくれました。
これを機に、話したことのなかった保護者からも声をかけてもらえるようになったとも言っていました。
小さな園なので、園児、先生、保護者の温かく柔軟な関係が築けているからこそだな〜と、米山君の想いにも、西部認定こども園の良さにも感心してしまったのでございます。

ま、今の話、自分は何もしてませんがね。
農業者として地域でくらすことの面白さが伝わればと思いご紹介いたしました。
ちなみに、バレンタインデー前の節分には、米山君とふたりで鬼になってきました。
本気で怖がる子どもたちの可愛いことったら。。。

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ネズミの暗躍

で、畑の暗い話に突入いたします。
なによりもショックなのが、ネズミ。。。
またかよ! というくらい、この農事録には何度も登場している憎き小動物でございますけれど、ここ数週間で未だかつてないような被害を与えてくれております。
昨年の春に植えた幼木たちが、どんどん抜ける抜ける!! もうやだ!
エサが無くなる冬の間、りんごの木の根っこをかじるので、根っこが鉛筆のように削られてしまうのでございます。

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ここまできれいにかじられた根っこを見ると、死んだ魚の目で「。。。お見事。」と言うしかありません。
もちろん、こうなってしまっては養分を吸い上げることができないので、破棄するしかありません。
苗代、農薬などの管理費、そしてなにより無駄になった数年という時間。。。
失ったものは、おいくらになるでしょうか。考えたくもありません。
植えて1年の木だけでなく、数年経った木も数本やられてしまいました。
「。。。はい、お見事。」
これらの木にはりんごが生っていますし、更に大きな損失。
もう、言葉がございません。

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ネズミが暗躍してしまうのは、樹の下に雑草が多いからと言われています。
個人的に除草剤をあまり撒きたくないと思っており、樹の下はビーバーで刈っております。
今回たくさんかじられてしまった幼木の下は、昨年2回除草剤を使いましたが、そのあとは何とかなるんじゃないかと思ってしまい、ビーバーで対応しておりました。
刈った草はいずれは腐植となって土を良くしてくれるのですが、反面、その下をネズミが通りやすく、ネズミが暮らしやすい環境になってしまいます。
収穫までの間は畑の中にエサが多いからでしょうか、毒エサやトラップで捕殺していたこともあり、なんとか被害も少なく済んでいたので、大丈夫だと思っていたのでございますが、冬の管理が甘かったようでございます。
捕殺できず、追い出せもせずに残っていたネズミたちがちょっと手を抜いた間に勝手に増え、このような惨状になってしまいました。

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大きめの木も・・・

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もちろん、除草剤をあまり使わない栽培方法をとる上で、幼木をねずみから守る対策をしていないわけではございません。
昨年の3月、試しに畔シートを使って根っこを守ってみました。
この畔シート、夏の間はしっかりと守ってくれておりました。
夏の間は。ね。
先日、2本やられているのが確認されました。
かじり痕は新鮮で、数日のうちにやられたことがわかりました。ショック。
冬になると、ミミズが寒い地表を嫌って深く潜り込み、それをモグラが追っかけて深く潜り込み、その穴をネズミが通るうちに、畔シートの下から伸びた根っこを見つけて、「いいもんあった!」と食べてしまうのだと、友人が推察していました。
だめじゃん。
もっと深く埋めればいい、とも思いますが、苗の台木がどのくらい地表に出ているかで木の伸び方が変わりますし、畔シートで根っこをすっぽりと囲んでしまうと、根が伸びず生育がどうなるか。
根本的に、ネズミが住みにくい環境をつくらないといけないのだと、痛感しております。

樹の下に草を生やしておくと、そこに生態系ができ、害虫の天敵の住処となります。
ゆくゆくは殺虫剤を減らしていきたいと考えておりますので、雑草は大事で、ある程度生やしておきたいのでございますが、背に腹は代えられませんね。
樹が無くなることは、数年に亘って収入が減ることになるだけでなく、それまでの投資を回収できないことになってしまいます。
来年は、幼木やネズミの多い場所には通年で除草剤を使い、一度、ネズミの暮らしにくい畑にしようと決心いたしました。

あと最終号を残すのみだというのに暗い話題のボリュームが多く、申し訳ございません。
まあ、直近の大きな出来事でございましたので、素直な"農事録"ということでお許しくださいませ。

楽しいソリ遊び?

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最後に、我が家の坊のコーナー。(1歳10か月)
2、3語でどんどん喋るようになりました。
掃除のお手伝い? もしてくれます。元気でよろしい。

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雪が全然降らず、以上に暖かい冬になっており、せっかくソリを買ったのにまともに遊べておりません。
一度だけ乗せてみましたが、土が出ているような環境ということもあるのか、楽しいのかな? という感じでございました。

日々の畑・りんごの様子やもろもろは、ブログ「りんご屋さん 弐七農園」もご覧ください。
webショップもご覧ください。

ではまた来月、お会いいたしましょう。

この記事を書いた人

古田然さん

北アルプスのふもと安曇野市三郷小倉で3年間の研修を経て、2017年にりんご農家として独立した古田然さん。
農業が好き! 人が好き! 地域が好き! な古田さんが、安曇野の暮らしをつづります。

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