飯島さんの農事録
[飯島さんの農事録]

農作業中に気づく、植物の「色」の魅力

オリンピックが開催されましたね。きっと皆さんもテレビから離れられない時があったのではないでしょうか。国と国とが競い合い、その結果勝敗が生まれるのですが、勝ち負けやメダルの色などは度外視で、日本人選手が頑張っているところを見ると手に汗握らずにはいられませんでした。

そして、この農事録を皆さんに見ていただく頃にはパラリンピックが始まっていますね。また昼休みが長くなってしまいそうです...。 

養蜂場におじゃましました

さて、今回はこんな写真から紹介をしたいと思います。
いつも見ていただく写真は稲や野菜などに関連したものなのですが、これはちょっと違いますよ。

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そうです。トロ~リと甘くておいしい花の蜜を集めているミツバチです。驚かせないようゆっくり静かに近寄って写真を撮らせてもらいました。
武石地域の農業者の仲間が今年から養蜂を始め、ちょうど巣箱のおいてある横を通ったのでご紹介です。すでにアカシアの花の時期が終わっているので、今は何の花の蜜を集めているかはわからなかったのですが、たくさんのミツバチが忙しく働いていました。

甘いカボチャは寝て育つ

今度はこちらの写真ですが、何かわかりますか?
今までにも種の写真を見ていただいたことがありましたが、これは今までになく大きい種ですよね。

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これはカボチャの種です。
前回の農事録を皆さんに読んでいただいている頃(4週間ほど前)にカボチャの種を播きました。7月の中旬に種を播くと収穫時期は11月頃になります。
実は、今期この種まきを2回行うことになってしまいました。7月中旬と言えば少し前のことですが、どんな天気だったか思い出してみてください。そう、梅雨が明けたとたん連日ギラギラと太陽が照り付け暑い日が続きましたよね。しかもずっと雨のないままとなりました。そんな時に種を播いたこともあって上手く発芽させることができず、もう1度播き直すことになってしまったのです。さすがに2回目は注意をしたこともありしっかり発芽しましたよ。

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ところで、このカボチャですが、収穫後に少し休ませる必要があるのです。外皮の傷などを修復させるためでもあるのですが、この期間にデンプンが糖に変わるので寝かせることで甘さが増すのです。そして出荷されるのはちょうど冬至の頃。皆さんの食卓にも、ぜひ甘くてホクホクしたカボチャ料理を並べてみてくださいね。

稲穂の頭が垂れ、もうすぐ稲刈りです!

次はコレです。

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稲の穂が出てきました!
この穂はまだシュッとしているので出てきたばかりの時の写真なのですが、今や田んぼ一面に出そろい、徐々に頭が垂れ始めてきています。もう少し経てば地域一面金色になるのです。
青々と葉が茂り、それが田んぼ一面風になびくのもいいですが、この時期に風に揺れる穂が光って見えるのもまたいいものです。せめて動画でお見せしたいのですが...。

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この先「いもち病」や「カメムシ」の被害、そして「高温障害」などがあるので気は抜けませんが、今年もちゃんと穂が出てきてくれたので少しだけ安心しました。
この穂が順調に充実してくれれば9月下旬には稲刈りが始まります。

ゴーヤの色に感動

今回はもう少し皆さんに見ていただきたいものがあります。
まずはこちら。

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これはゴーヤ(ニガウリ)です。もう数日経つといい大きさになり収穫できる感じです。
ただ、葉や茎の陰になって見つからずにそのままになってしまったり、収穫の適期を逃してしまったりすると、実の下の方から色が変わってきます。
もしかすると黄色く色が変わってくるくらいなら見たことがあるかもしれませんが、次のならばどうでしょう?

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こちらはあまり気持ちの良い写真とはいいがたいのですが、ゴーヤが破裂し中の種が外に放り出された状態です。
そして中身が残っていたりするとこんな感じになります。

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こんな写真から何を紹介したいかと言うと、その形はどうあれ植物の持っている「色」ってきれいだなってことをお伝えしたかったのです。
新芽や若い葉の淡い緑、陽の光をたくさん浴びて育った食べごろの深い緑、花の黄色や実が熟したときのオレンジ色、そして鳥やそのほかの獣に気付いてもらうための赤。どれをとっても絵の具のチューブから直接出てくる色ではないですよね。
もちろん、最後の写真のようになってしまう前に収穫するようにしていますが、収穫する際はかくれんぼの鬼になった気分です。なかなか見つからないものなんですよ。

確かゴーヤにはビタミンCが多く含まれているはず。夏の暑い時期から秋に向かって色の濃い作物が多く収穫できます。そんな色の濃い野菜は「緑黄色野菜」と呼ばれていいますが、これらはたくさんの栄養素が豊富に含まれていると言われています。
夏バテ気味で食欲がなかった方もいるかもしれませんが、もう少し経って涼しくなって来ればどんなものも美味しく食べれるようになるはず。これから収穫される色の濃い野菜をたくさん食べて体の調子を整え、風邪や体調不良だけでなく「コロナなんか受け付けないぞ!」と言った強い気持ちでいたいですね。

 

 

この記事を書いた人

飯島正行さん

農業を行っている会社や農業に携わる組織で仕事をしていた飯島正行さん。そこで培った経験から「自分で農業がしたい!」と、上田市武石で就農して5年目になります。武石は水も気候も農業に適しているし、何より若手が多くにぎやかなのがいい!青年部の仲間とともに楽しい農業を目指します。

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