飯島さんの農事録
[飯島さんの農事録]

仲間と楽しく、農業を。飯島さんの農事録 第6回

飯島さん農事録

こんにちは!
10月にもなると1日ごとに冬の気配を感じます。
たとえば、朝の起きがけに「布団の中にとどまりたい」ときや身支度から。そして、農業をしていると、空に漂う雲の形や木々の色などの風景から冬の訪れを感じることも多いです。特に、周囲の畑や田んぼが様変わりすると感じます。私の住む上田市の武石地域も稲刈りが進んでいて、景色もだいぶ寂しいものになってきました。
今年は海面水温が平年より低い状態が続く「ラニーニャ現象」が起こっているようで、例年よりも寒い冬となる予報が出ているようです。そのせいか、いつもよりずっと早く風が冷たくなり、冷え込みも厳しくなっているような気がします。今年は雪も多くなるのでしょうか。

 

スゴイぞ!日本のお米

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稲刈りは、私の師匠と共に9月下旬から開始しました。刈取り→脱穀を一気にこなしてくれるコンバインを使用し、その後乾燥機でちょうどよい水分量にして出荷する方法をとっています。
私自身はずっと野菜ばかりを中心に農業に携わってきていて、水稲を始めて3年目です。お米を栽培して気づいたことは、日本のお米の栽培技術はスゴイ! ということです。なにがスゴイ! かと言うと、どの作業も機械を使うことができ省力化と効率化がなされています。種まきから始まって、肥料まき、耕耘や耕起、代掻き、田植え、稲刈り、乾燥と全部機械でできるのです。最近では農薬散布や生育状況を観察するのにドローンも使われています。もちろん野菜の栽培技術だって進んでいますが、お米の方が野菜よりも早く進歩し、浸透しているような気がします。

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出荷前のお米(玄米)

残念なことに年々お米の消費量が減っています。そのうえ今年はコロナウイルスの影響が大きく日本中に例年以上のお米が余っていると聞いています。「ご飯」以外にも主食となりえる美味しいものが食べられるようになったことは素晴らしいことだと思いますし、いろいろなものを食べることは体にも良いことだとも思います。しかし、やっぱりご飯をたくさん食べてほしいですし、それと一緒に色とりどりの野菜やお肉もたくさん食べてほしいです。ぜひお願いします。

 

秋のアスパラガス作業

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アスパラガスのハウス

9月下旬から10月のアスパラはと言うと...。
JA信州うえだでは9月20日になるとアスパラの選別の扱いが終了します。それは、そのころからどの地域でも稲刈りが始まるからです。アスパラ収穫のために特化した特別にやらなければならない作業というのはなくなってきていますが、それでもやはり雑草の管理と病気の管理は続きます。

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タンポポ

雑草に関しては刈り払い機を使用した作業はこれで最後です。寒くなるので草の勢いがなくなるためです。しかしながら地中深くに根を伸ばすタンポポの様な草はスコップを使ってでもしっかり抜いておく必要があります。今抜いておかないと冬の間にゆっくりと大きくなった根っこによって春の早い段階から芽吹いてくるのです。そしてずっと居座ります。根っこが途中で切れてしまっても再生しますし、細かい種をたくさんつける雑草なので小さいうちから退治しておくことが大切です。病気の方も寒くなるにつれて病原菌の活動が弱まり、病気が拡散していく範囲は小さくなります。だからこそここでしっかり対処し、今以上に広がらないようにしておきたいところです。

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来年のアスパラにとって、今年の11月頃まで青い葉っぱを保つことが大事です。7月頃から大事に育ててきた葉っぱが養分を作り、根っこにためる時期だからです。地味な作業ですが、来年のための大事な時期です。と、偉そうに話をさせてもらっていますが、現状は稲刈りに時間を取られてしまっていてなかなか思ったように作業が進んでいないのです。おかげで病気が進んでしまい、昨年よりずっと茶色く変色させてしまいました。来年に向けた反省の一つです。ちなみに、11月後半から寒さにあたってちゃんと枯れてくると、きれいに黄色く枯れ上がります。病気で枯れてしまうものはどちらかと言えば黒っぽい感じになります。

 

まだまだ盛りだくさん

稲刈りが終わっても、アスパラの管理作業が地味なものになっても、まだまだやることはたくさんあります。

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まずはタマネギの植え付けをしなくてはいけません。例年と同じく10月終わりころから11月初めを考えているのですが、まだ畑の準備ができていのです。肥料をまいてトラクターで土を起こしてマルチを張って...。あぁ、うかうかしていられないなぁ。
同じような時にカボチャの収穫も待っています。こちらも忙しい。特に今年は寒くなるのが早いようなので、霜がやってくる前に収穫することが必要なのですが、そもそも7月の長雨の影響で植え付け時期が遅れていることから収穫時期も遅くなっているはずなのです。ちゃんと熟していないカボチャは美味しくないのでギリギリまで待ってみようと思っていますが、カボチャはアスパラのように畑で味見できないので、収穫適期を見極めることが未だ下手です。出荷させてもらっている身としては、さらなる勉強の必要を感じています。

 

ご馳走様です!

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最後に自慢話をさせてください。10月に入った頃に、長野県青年部協議会で知り合った北信(県北部)の農家さんから「長ネギ」を、そして農業を学んでいた学生時代の先輩から京丹波の黒豆の「エダマメ」をいただいてしまいました。さらに最近、「マツタケご飯」もいただきました。もう最高! ありがとうございます!
美味しい物をいただいたからには、こちらも来春には自分の栽培しているアスパラを自信を持って贈りたいと思っています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
季節の変わり目ですので、体調管理には十分にお気をつけください。

それではまた。

この記事を書いた人

飯島正行さん

農業を行っている会社や農業に携わる組織で仕事をしていた飯島正行さん。そこで培った経験から「自分で農業がしたい!」と、上田市武石で就農して5年目になります。武石は水も気候も農業に適しているし、何より若手が多くにぎやかなのがいい!青年部の仲間とともに楽しい農業を目指します。

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