岩垂さんの農事録
[岩垂さんの農事録]

オレさまの安曇野 風雲 農事録 連載第41回

連載※長野県安曇野市三郷(みさと)地区で、農家家業をついでリンゴを作りはじめて8年目となる岩垂和明さん(43歳)が、幾多の押し寄せる誘惑や困難を乗り越えて時として風雲急を告げる月々の農事を綴ります。





ふぇ、
ふぇ、
ふぇっくしょん!!!
・・・
ジュル。

この時期になるといつもそう。
派手なくしゃみがりんご畑に響き渡り、
涙と鼻水が止まらなくなります。
原因はコイツ???

20120627iwa_01.jpg
アカシア

いや、本当はアカシアではなく
ニセアカシアが犯人だとか、
実はニセアカシアも無実で
真犯人はアカマツだとか、
専門家の方々の間では
色々と言われているようです。

というか、
「この際全部ひっくるめてチェーンソーでぶった切ったろか!!!(▼Д▼#)」
というのが、
涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにしながら、
それでも黙々とりんごの摘果をしているオレの、
本心だったりもします。

今なら少しだけ、
ジェイソン(※注)の気持ちがわかるなぁ。

20120627iwa_02.jpg
シナノスイート(6月下旬)


20120627iwa_03.jpg

りんごの木陰でひとやすみ
というか、
閑話休題、
本題のお仕事の話をすることにしましょう。^^;


※注 ジェイソン:映画「13日の金曜日」に出て来る殺人鬼。チェーンソーを使って人を襲う・・・というイメージがある。が、実際にはあまりチェーンソーは使っていないらしい。



月の農事録にも書きましたが、この摘果の時期はりんご農家にとって一番忙しい時期になります。

一輪摘果は終了し、現在は摘果の二週目「仕上げ摘果」をしています。

一輪摘果は、とりあえずひとつにする作業。
詳細は先月の記事へ

仕上げ摘果は、そのひとつにしたりんごたちから更に選別し、良いものだけを残す作業。

大きさや形、キズや障害の有無、生らせる位置などを考えつつ、一本の木に対する適正な着荷量を見極めながら残していきます。

一輪摘果はとにかくスピード勝負の体力勝負ですが、仕上げ摘果になると判断力が必要になるので、体力もさることながら頭も疲れます。

20120627iwa_04.jpg
木の下は摘果された果実のじゅうたんが
敷き詰められつつある・・・

20120627iwa_05.jpg
摘果のときに出会った、とってもSexy!なりんご^^;

果の話をするとよく、「摘んじゃうなんてもったいないですね。」って言われることがあります。

でも、実際に摘果をせずにおくと・・・

20120627iwa_06.jpg

こんな感じや

20120627iwa_07.jpg

こんな感じに・・・

収穫時期には、りんごはこの数倍の大きさになってくるので、このまま放っておくとほとんど売りものにはなりません。

「じゃぁ摘んだ果実を加工用にすれば?」という話もありますが、現実には味的にも手間的にも難しいところです。

節は梅雨を迎えていますが、安曇野で雨の降った日は数えるほどしかありませんでした。

おかげで摘果は順調に進み、7月の初旬には「仕上げ摘果」も終えることができる見込みとなりました。

20120627iwa_08.jpg
雨上がりの玄関先「やぁいらっしゃい!」

日畑の中でちいさな幸運を見つけました。

20120627iwa_09.jpg

(^◇^)

来月がみなさんにとっても幸運な日々となることを祈りつつ、今月の農事録とさせていただきます。

ということで、

それではまた来月に。(^_^)/~

追伸: ウチの庭でヒメイワダレソウ(姫岩垂草)が花を咲かせました。

20120627iwa_10.jpg
ヒメイワダレソウの花



バックナンバー

● オレさまの安曇野 風雲 農事録 #40 - #1


あわせて読みたい

● I'm a farmer!(岩垂和明さんの個人ブログ)

この記事を書いた人

長野県安曇野市三郷(みさと)地区で、農家家業をついでリンゴを作りはじめて8年目となる岩垂和明さん(44歳)が、幾多の押し寄せる誘惑や困難を乗り越えて時として風雲急を告げる月々の農事を綴ります。

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