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雪が野菜をおいしくするってホント?

0602yasai1.jpg今シーズンの冬はただならぬ大雪で、信州北部も雪でおおいつくされていて、ひときわ寒さが厳しくなっています。しかし、すこしだけ視点を変えると、この寒さが農産物をさらにおいしくしてくれるのだという、ちょっとどころかかなりおいしいお話をひとつお届けしましょう。

寒さが野菜をおいしくする?
スーパーマーケットなどの野菜売り場で「雪の下○○」と表示された、いわゆる越冬野菜が販売されているのにお気づきですか? 北国の生活の知恵として、昔から伝えられてきた野菜の保存方法に「雪に埋めておく」という方法がありました。

たとえば信州でも、豪雪地帯の飯山地方には、その雪を利用して保存するスノーキャロットがあります。秋に育ったニンジンを収穫せずに、雪の下で約6ヶ月間無農薬で越冬させて、雪解けを待って収穫することで独特の臭みがなく、ミネラル分の多い大変甘いニンジンになるのです。生産量も少なく、消費者にもまだあまり知られていない雪国飯山ならではの特産品です。

arrow2.gif 有限会社奥信濃ファームが提供する「スノーキャロット」の紹介

また上水内郡中条村では、野菜を秋に収穫せず、12月から2月末にかけて雪を掘り起こして収穫、出荷している農家もあります。雪中野菜も新鮮さが命ということもあり、地元量販店や村内直売所でしか販売されていませんが、消費者からは「甘い」「味がいい」「きれい」と好評です。(写真上:越冬野菜を出荷する長野県中条村の酒井さん御夫婦 写真下:スコップで雪中の大根を掘り起こす酒井さん)

arrow2.gif いいJAん信州!ニュース&トピックスに掲載された「雪中野菜を出荷」(長野県中条村 酒井さん夫婦)の記事

冬を生き抜く植物のわざ
越冬野菜といっても、野菜すべてが雪の下に埋まって越冬するわけではありません。品目の特性等に応じて、保存するのに厳しい冬の環境を活かしているのが越冬野菜の共通点です。

0602yasai2.jpg中には、ミニハウスをつくり、秋冬が旬のターサイや京菜、小松菜、ルッコラなどを栽培して、冬でも自家用新鮮野菜を楽しんでいる人もいます。中国野菜のターサイは、寒さに遭うときれいなロゼット(冬になると茎の部分が短くなり地面に張りついた丸い形になります。重なり合う葉の形がバラの花に似ている状態をロゼットといいます)を作ります。

ターサイは霜があたると甘みが増して柔らかくなり、アクも少ないので定番の炒め物のほか、おひたしやスープの具にも最適になると言われます。信州の野沢菜も霜にあててから収穫することで、「ノリ」がある野沢菜漬となります。

よく野菜を寒さにさらすと、糖やビタミンが増え、アクが抜けておいしくなると言われています。東北農業研究センター(独立行政法人 農業・生物系特定産業技術研究機構 東北農業研究センター:岩手県)の資料などによると、生育中のホウレンソウや小松菜は、光合成をして糖分やビタミンを生成します。低温になるにつれ、根からの吸収を抑え、水分含量の低下を進行させて、同時に糖分やビタミンなどの栄養成分を増加させるのです。この糖分は、体を凍りにくくし、ビタミン類は生命維持に重要な役割を果たすためなのです。こうした植物が自分を守ろうとする機能が、おいしさにつながっているわけです。

寒冷地・積雪下における野菜生産技術
東北農業研究センターでは、「寒冷地・積雪下における冬春期野菜の安定生産技術の開発」の研究を、平成17年度からスタートさせています。これは、北東北を中心に拡大しているホウレンソウの寒じめ栽培という方法です。ホウレンソウや小松菜などの葉菜類が、寒さにさらすと糖度が上昇する寒締め効果の仕組みが明らかにされています。栽培ハウス環境の適切な管理を行い、収穫や品質を安定させることが研究のねらいだとか。

寒じめ栽培とは「ハウス栽培の秋まき野菜が収穫期を迎える冬に、ハウスを短期間開放して寒さにあてることで、野菜の品質を向上させる技術」です。ホウレンソウなどは、地温が約9度以下に下がると、根の吸水が抑制され、糖度が濃縮されて高くなるということです。

つまり地温を抑制すれば、夏でも"寒締め"ホウレンソウを生産できる可能性が大きいそうで、もしかしたら、今以上に美味しいホウレンソウが1年を通して食べられるようになるかもしれません。

arrow2.gif 独立行政法人 農業・生物系特定産業技術研究機構「東北農業研究センター」

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