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エノキタケとブドウでGABAを。生鮮食品でも「機能性」アピール

機能性食品

JA全農長野が販売する機能性表示食品「長野県JA産えのきたけ」と「毎日グレープ(ナガノパープル)」

新型コロナウイルス対策で、家庭で食事をとる機会が増えた方が多いことでしょう。健康でおいしい食卓に、これまで以上に目を向ける機会になっていると思います。
そこで気になるのが「機能性表示食品」です。4月にリンゴのドライフルーツとジュースを紹介したように、これまでは加工品が中心でしたが、野菜や果物といった生鮮食品にも広まり始めています。
産地や品種ごとに多彩な食材が並ぶ売り場で、新たな付加価値をアピールして消費者の目を引き付けようとする努力のひとつですが、生鮮品ならではの苦労があります。昨年末、ブドウ「ナガノパープル」とエノキタケで機能性表示食品の届け出を行い受理されたJA全農長野で聞きました。

血圧改善効果に期待できる「GABA」の摂取量を割り出す

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GABAを測定するHPLC(高速液体クロマトグラフ)の脇に立つ中村浩蔵准教授

ナガノパープルとエノキタケで注目したのは、それぞれの食品に含まれるGABA(ギャバ)と呼ばれるアミノ酸(γアミノ酪酸)です。体内では神経伝達物質として働き、高めの血圧を下げる作用が報告されています。信州大学や長野県の協力で過去の研究報告をあたり、1日当たり12.3mgのGABAを摂取すると血圧改善の効果が期待できると判断し、相当する食品の摂取量を割り出しました。
実際にその作業に当たったのが信州大学学術研究院(農学系)の中村浩蔵准教授です。
JA全農長野の協力でナガノパープルでは集荷場ごとに検体を集め、最終的に100軒以上の農家のナガノパープル、計300粒余を分析しました。
GABAの含有量は、最高で58mg(100g当たり、以下同じ)、最低は11mg、平均22mgでした。
12.3mgのGABAを摂取するにはどれくらいのナガノパープルを食べたらいいのか。年毎の作柄など、農産物の特性上、「表示値を下回ることがある」と断りを入れることが制度上認められているとはいえ、可能な限り摂取量を保証しなければなりません。そこで、含有量の低いほうに合わせて、1粒約10gとして11粒食べれば、必要量をクリアできると計算しました。
エノキタケの場合は県内15のJAおよび同ブロックから56株集め、分析しました。GABA含有量は最大107mg、最低40mg、平均68mgでした。この結果を受け、30g(4分の1袋)の摂取で必要量が賄えるとしました。
この算定を元にJA全農長野が届出・販売者として昨年9月、消費者庁に届け出、10月に受理されました。商品名は「毎日グレープ(ナガノパープル)」と「長野県JA産えのきたけ」です。

注意したいのは、機能性表示食品として売ることができるのは、この名前(届出番号)を付けて売られる商品に限ることです。ナガノパープルやエノキタケといった一般的な品種・品目名で機能性を主張できるわけではありません。明確な区別なく同じ棚に並べるなど、同じような機能性があると誤解させるような販売は景品表示法で禁じられています。

定期的に有効成分の含有量を確認

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「血圧が気になる方へ」と機能性を訴えるポップとともに店頭に並ぶ「長野県JA産えのきたけ」

逆に、パッケージに「長野県JA産えのきたけ」「毎日グレープ(ナガノパープル)」と記された商品は、栽培環境など生鮮食品としての不確実性を考慮したうえで、規定のGABAが含まれていることが求められます。エノキタケの場合、JA全農長野は4半期に1回(需要減退期の6月を除く3、9、12月)抽出検査をして有効成分の含有を確認しています。直近の3月の場合、出荷JAを限定し、7検体を抽出して確認しました。
「毎日グレープ」は収穫期が終わっていたため、実際の販売は今シーズンからになりますが、すでに販売が始まっている「長野県JA産えのきたけ」の場合、血圧が気になる人たちに向け新たな付加価値をアピールできると、店頭での手ごたえが伝わってきています。きのこ課の担当者は、自ら都内のコミュニティーラジオに出演してPRするなど、普及に余念がありません。
「日本一の生産量を誇る長野県産エノキタケも、人口減少などで消費は伸び悩んでいます。〝飽食〟とも言われる時代には、食べてもらう理由の発信が欠かせません。機能性の表示はそのひとつ。簡単、簡便が求められる家庭の食卓に、キノコの一層の普及を図りたいと思います」と語っています。

調理のポイントと摂取量の目安を聞きました!

摂取量の設定など機能性の裏付けとなる分析を担った中村准教授は「GABAは熱には強いものの、水に溶け出す性質があるので、エノキタケの場合は、その点を考慮して調理するのがいいですね。GABA自体は、みそや納豆といった発酵食品を中心に、ほかの食品にもたくさん含まれているので、ナガノパープルだけで必要量を賄う必要はないかもしれません。5、6粒、ナガノパープルを食べれば、6割近くを賄えるのですから、残りをほかの食品から取る――といった具合に、柔軟に取り組めば、バラエティーに富んだ食卓になるでしょう」とアドバイスしています。

県内ではJA松本ハイランドが、松本市の支援でリンゴ(ふじ)に含まれるポリフェノールの一種・プロシアニジンで届け出、受理されており、「ゆめピーりんご」の名前で、今秋から売り出す予定です。内臓脂肪を減らす効果が期待できます。

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