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クッキングアップルの王様に会ってきました

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たいへんに特別なリンゴがあります。「世界で一番の料理用リンゴ(The best cooking apple in the WORLD)」「クッキングアップルの王様」といわれていて、リンゴの本場であるイギリスでも、そして世界中のスイーツファンから熱狂的に愛されているリンゴです。むろん日本にもこのリンゴのファンクラブがあります。

リンゴにファンクラブがあるなんて、信じられます? 信じてください。ファンクラブをもつほどに愛されているそのリンゴの名前は「ブラムリ―・アップル( The Bramley Apple )」。正式名称は「ブラムリ―・シードリング( Bramley's Seedling )」と言います。

bramley%27s_apple_3.jpg伝説のリンゴ・最高のリンゴ
ブラムリ―・シードリングは、19世紀の初めにイギリスでひとりの少女が偶然鉢のなかにまいた種から生まれた伝説の小ぶりの青リンゴです。その後イギリス全土に広まり、1833年には英国王立園芸協会(RHS)から最高の賞をもらいました。

リンゴならば、生のままで「ガブリ!」といけば口の中いっぱいに広がる美味しくジューシーな果汁が溢れるぐらいの・・・やっぱり生で食べれるものが一番ですが、このリンゴに限ってはそんな食べ方をしたら、再び手にとってもらう可能性はやってこないかもしれません。なぜならば、ビックリするほどの酸味なのです。生食には向きません。

「それなのになぜそんなリンゴに人気が集まるのか?」と疑問を感じるところですが、このブラムリー・アップル、その特性においてイギリスではまさに一家に1本的な存在になり、すっかり家庭に溶け込んでいる料理用のリンゴなのです。

bramley%27s_apple_4.jpg見かけはイマイチで、どちらかというと武骨で、日本の調理用リンゴの代表とされる紅玉よりもずっと実が締まっていて、たまらないほどの酸っぱさで、だから果物屋さんというよりも、八百屋さんで売られるのにふさわしいリンゴです。リンゴの料理を好むイギリスではこのリンゴが生産量の半分近くを占め、そのリンゴを懐かしむ人や、魅力にとりつかれた人を中心にファンクラブが作られています。

クッキングにこそうってつけのリンゴ
このリンゴ、その酸味のおかげで加工するのにはうってつけで、あの青リンゴの爽やかな芳香を漂わせながら、お菓子やジャム、ソースにと酸味をアクセントに華麗なスイーツに変身を遂げるその姿は、ファンにはたまらないものとされます。大変に特別なリンゴといわれるゆえんもそこにあります。

でもこのブラムリ―・アップルですが、名前を耳にしたり実物を見たことがある方は、そうは多くないはずです。なにしろ店頭に置かれることがないのですから。このリンゴ、その良さがいまだ好きな人にしか理解されないため、購入方法は予約か電話注文のみに限られています。そしてこのブラムリ―・アップルが、国内で唯一生産されているのが、長野県北部の小布施町なのです!

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それは一本の枝のような穂木からはじまった
小布施町は県内でも一番面積の小さな町。栗が有名な産地で、その他リンゴ、ブドウ、ナシなど果樹栽培の盛んな土地柄です。その小布施の町でブラムリーが作られるようになったのは、この町の出身者である荒井豊(みのる)さんが、幾度と渡英する際に、暮らしに溶け込んでいるブラムリーに目が留まったことがきっかけでした。

当時、たまたま町興しの企画を考えていたこともあり、この料理用のリンゴを是非取り入れたいと願い、英国王立園芸協会に何度も辛抱強く交渉した熱意が認められて、今からおよそ20年ほど前の1990年、ブラムリーの穂木は横浜の検疫所で一年間の検疫期間を経てイギリスから荒井さんの実家のあった小布施町に渡ってきました。荒井さんは英国王立園芸協会が日本支部(RHSJ)を設立された際にその初代の支部理事長に就任しています。

日本で最初に目にした、ブラムリ―・アップルの穂木、その姿は、長さ40センチほどのたった1本の枝だったそうです。その1本を台木として、「枯らしてはいけない」と必死の思いで、接ぎ木をして木を増やしていきました。栽培方法のわらかないリンゴは、いきなり農家の人に作ってもらうわけにもいかず、当初、英国王立園芸協会が日本支部や長野県果樹試験場の協力を得て、役場の職員が自分の畑で試験的に栽培を行っていたそうです。

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新しいリンゴの世界を広げよう
しかし数年かけてようやく実ったリンゴは、いつまで経っても色は青いままだし、食べてみたら酸っぱいしと、様子を伺っているうちにリンゴはボタボタと枝から落ちるわという具合に、1年、また1年と歳月は流れました。時には正直、『このまま栽培を続けていっていいのだろうか?』と迷いがよぎったこともあるといいますが、ブラムリーファンの熱意に答える気持ちもあって、それでも栽培は根気強く続けられました。

そんなブラムリ―・アップル作りも、今では専門のリンゴ農家の方が栽培されるようになりましたが、その数は6件と、まだまだ生産農家の数は少ないのですが、今年の生産量は3トンにものぼり、とても豊作です。ならば来年はもっとたくさん・・と思うところですが、そうはいかないのがこのブラムリーという種類。成る年と成らない年の差が激しく、だから隔年出荷なのです。しかもそんなブラムリ―の収穫時期は、8月下旬からたったの10日間だけとあまりにも短いのです。

あなたの口に入る日も遠くない
もしこれが幸運にも手に入ったのであれば、お菓子やジャム、ソース作りを試してください。でもそのリンゴは、傷があったり形がイビツであったりと様々に武骨な、繰り返しますが「ブコツ」な様相をしていることでしょう。ブラムリ―・アップルとはそういうものなのです。反ってそれが、ブラムリーファンにとっては、本場イギリスのリンゴを彷彿とさせるため、リンゴ作りも手間をかけて綺麗な形で収穫の時を迎える準備はあえてしないそうです。

このブラムリ―・アップルは東京の一流フルーツパーラーにも卸されているそうですので、もしかしたらそこで口にするチャンスもあるかもしれません。小布施町ではこのリンゴを、加工用としてジャム以外にも付加価値をつけて販売していくことを検討していると共に、日本唯一のブラムリー・アップルの産地として話題の町になることを願っているのです。

参考サイト:

arrow2.gif RHSJ 英国王立園芸協会日本支部

*この9月24日水曜日に東京で英国王立園芸協会日本支部が例会をかねて、元長野県果樹試験場場長で農学博士の小池洋男先生を招き「ブラムリーから広げようリンゴの世界」という講演会をひらきます。詳細は↓

ブラムリーから広げようリンゴの世界(英国王立園芸協会日本支部)まで

arrow2.gif 日本のブラムリーファンクラブ

関連サイト:

ブラムリーリンゴに関するお問い合わせご注文は:

財団法人小布施町振興公社
小布施町6次産業センター 小布施屋農産物直売所
ウェブサイト:http://www.obuse-ya.jp/
電話:026−242−6600
(品切れの時点で販売終了)

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