果物

皮まで食べたい♪ 9月が旬な桃・もも・モモ!

黄金桃

ホームパーティーでこんな演出はいかが?

長野県では、9月になると秋の果物がこぞって収穫の時を迎えます。りんご・なし・ぶどう・プルーン・プラム・・・そして、桃。夏の桃も美味しいのですが、フルーツが豊富にある中で秋に食べる桃は、同じ桃であってもとっても贅沢な気分になれることでしょう。しかも、冷蔵貯蔵や時期はずれの収穫と言うわけではなく、桃の品種ごとに収穫時期=「旬」は異なり、「9月が旬」の品種もあるんです。

60品種以上の桃を世話する「のろまん農場」

今回は、8月下旬頃に収穫される黄金桃をご紹介いたします。伺ったのはJAタウン「全農長野 僕らはおいしい応援団」やこのブログのプレゼント企画でもお馴染み、長野県北部の中野市に桃園を構える「のろまん農場」です。
園主の田中さんを訪ね、桃の出荷作業がひと段落つく午後に取材させていただきました。

黄金桃

園主の田中さん

田中さんが桃の栽培をしている畑は、自宅周辺に何枚もあります。年齢等の理由で維持することが出来なくなった地域の大先輩の桃園も借りているのです。今では、約1.5ha(単順に考えると150m×100m)の桃園を管理しています。また、7月末頃から9月末頃まで、途切れることなく桃を食べてもらいたい、という思いから収穫時期の異なる桃を次々に取り入れた結果、今では60品種以上の桃を育ています。その中の一つが黄金桃です。黄金桃は、長野市川中島町で偶発に発見された優秀な実の中から、選抜育成された桃です。追熟して食べごろのものは、トロリとした肉質で、果肉が淡黄色なのが特徴です。種離れも良く、種の周りが赤く色付きます。

食べごろは、桃の香りが教えてくれる♪

黄金桃

濃厚な味と色・香りがトロピカルフルーツを思わせます

黄色い桃というと、缶詰の桃を思い浮かべる方も多いと思いますが、果肉の白い白桃とはまた一味異なる魅力があります。黄色くてやわらかな果肉、濃厚な味が口いっぱいに広がり、まるでトロピカルフルーツを思わせます。とろけるような舌ざわりも魅力の一つといえましょう。ただ、桃に総じていえるのが出荷時はある程度硬いので、食べごろの見極めが大切だということ。触ってやわらかさを確かめると押し傷になってしまうので、香りの強さで判断するのが良いでしょう。また、個体差や温度によって追熟の速さが違うので、追熟させる場合は、傷みにもご注意ください。

朝どり&温度管理でみずみずしい桃をお届け

黄金桃

人気の川中島白桃なども栽培

のろまん農場の朝は早く、8月下旬の場合、辺りが白み始めた4時半には起床して5時には畑に出て、朝食前に桃の収穫を行ないます。7時には帰宅して朝食。収穫が間に合わない時は、10時頃まで収穫を行ないます。なぜこんなにも早いかと言うと、収穫時の桃の温度がその後の鮮度に大きな影響を与え、温度が低いほど鮮度の低下が少ないからです。

のろまん農場では立派な作業小屋を建設中で、その中に大きなクーラーを設置することで、桃の温度を低く管理し、更なる品質の向上に努めています。取材当日の8月25日はまだ完成前でしたが、既に荷造りにも使っていました。

黄金桃

建設中の作業小屋。桃の鮮度を維持するためにクーラー付き

例年に比べてやや小さめだけど、その分、旨みが凝縮!

黄金桃

8月上旬に収穫される黄金桃

今年の桃の出来を聞くと、「春先の気温が高かったこともあり、生育が1週間程早く、雨が少ないため小玉傾向にある。その分、旨味が凝縮して美味しい」とのことでした。ただし、自然相手に良い桃を作るということはとても難しいことなのです。皆様のお手元に届く桃はおおよそ、良い形をしていますよね。桃園を見渡すと、お尻のように切れ込みがあり、ちょっと形が悪いものもあります。割ってみると、種までスパッと割れています。生育の段階で、種と果肉の成長が一致しないと割れてしまうのです。こうしたものは極力出荷をしないようにしておりますが、外見では見分けることが難しいこともあります。

黄金桃

種と果肉の成長が一致しないと種が割れてしまうことがあります

箱入りならぬ「袋入り」で、収穫まで大切に

畑を案内してもらうと、桃の樹の下に桃の入った袋が落ちていました。桃はデリケートな果物なので、雨・風・病気・害虫などから守るため袋を被せて育てます。収穫時期を迎えると袋よりも大きく育って、袋を破るものや、自然落下してしまったりします。しっかり熟度にもこだわっているので、この頃が収穫の見極めです。のろまん農場では、果皮に赤い色を付けずに黄色い状態で収穫するため、本来は袋に入ったまま収穫を迎えるのですが、樹上で袋を外して撮影させてもらいました。遮光袋に入っているにも係わらず、ほんのり色が付いている部分もあり、最高に美味しそうです。ただ、袋を開けてみるまで中身の状態がわからず、収穫作業は長年の経験が物を言います(果皮に赤い色をつける農家は2週間程前に袋を外すと、白桃のように赤く色付きます)。

黄金桃

袋を破るほど大きく成長したもの

黄金桃

遮光袋を破ると黄色い黄金桃が現れます

一番美味しい部分をお見逃しなく!

のろまん農場園主の田中さんは、桃を食べる時に皮は剥きません。桃は産毛があるので、若干抵抗がある方もいらっしゃるかと思いますが、桃の一番甘い部分は皮の直下。皮を剥くということは一番美味しい部分を捨ててしまうこと、と田中さんは言います。普段の習慣で皮を剥いて食べている方は、一度皮付きのまま食べてみてはいかがでしょうか?

黄金桃

ほんのり紅が刺して美味しそうな黄金桃

今回紹介した黄金桃は、川中島で発見された黄金桃ですが、9月上旬頃収穫される黄貴妃、9月中旬頃収穫されるゴールデンピーチなど、生食に向く果肉の黄色い桃を総称する呼び名として黄金桃は使われています。のろまん農場でも、様々な品種の黄金桃・白桃を9月下旬頃までリレー方式で出荷していますので、この機会にぜひお試しください。

■のろまん農場の店舗ページ

こちらは の記事です。
農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。

この記事を書いた人

ヤマグチ

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