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無病息災の思いを込めて。初午に贈る夫婦馬

夫婦馬

2月最初の午の日、今年は2月12日が初午です。
初午に向けて、無病息災を願って「夫婦馬」を制作する名人が県南部の伊那市にいると聞き、訪ねてきました。

凛々しさとやさしさと。夫婦馬が伝える農村文化

新春の初午の行事が地元にもあれば・・・との思いから、およそ20年前から夫婦馬を作りはじめました。天を仰いでいななく雄馬(約30cm)と、草をはむ雌馬(約20cm)で一組となっていて、60組120体の完成を目指しています。今年の作品は、赤い手綱と鞍がアクセントになっています。

夫婦馬

夫婦馬は雄馬と雌馬がセットで1組

この作品を作っている田中豊文さん(82)は、上伊那農業委員会協議会の「稲ワラ工芸品づくり名人」に認定されています。子どもの頃、学校から帰ったら、ワラぞうり4~5足作らないと夕ごはんをもらえなかった経験があり、稲ワラで何か作りたい、という気持ちが高まって、勤めていた精密会社を55歳で退職、自宅の横に工房を建てて制作をはじめました。稲ワラは、機械で刈り脱穀したものだと切れてしまうため、特別にはぜかけ(天日干し)にして稲穂を取り除いたワラを、近所の農家さんから提供してもらっています。

夫婦馬

上伊那農業委員会協議会認定「稲ワラ工芸品づくり名人」田中豊文さん

田中さんはガンや腎臓の病気を患いました。現在も週2回透析に通いながらも「病気に負けないぞ」という強い気持ちで、入院している方や透析仲間を元気づけたい、と制作しています。毎年楽しみに待っていてくれる人がいるので、完成させる喜びと渡したときに喜んでもらえることと、2重の楽しみがある、と田中さんはいいます。

自然素材を使い、自分にしか作れないものを

夫婦馬

6畳ほどの工房はこじんまりとしていますが、狭いからこそシャキっと気が引き締まるそうです。手先をよく使うことで、体調もいいんだとか。自然の材料を使って他の人が作らないものを作りたい、と常に考えていて、寝る直前にいいアイディアが思い浮かぶことが多く、枕元にはメモ帳を準備しているそうです。

夫婦馬

2月12日の初午を目前に、引き渡しを待つ「夫婦馬」

秋頃からお正月のしめ縄飾りや万帆宝船を、12月頃から初午に向けて夫婦馬を作ります。その後は、山で拾ったマツボックリやクルミなどを使用した工芸品作りと、季節ごとにいろいろな作品を制作しています。「これからは、クルミを使ったたぬきばやし人形を作りたい」と、さらなる製作意欲に燃える田中さんでした。

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