原田泰治作品と味わう「ふるさとの味」

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夏には盛大な花火大会が開催され、冬には、「御神渡り(おみわたり)」という「氷の道」ができる現象が発生することでも有名な諏訪湖。そんな諏訪湖のほとりに、諏訪市出身の画家・原田泰治氏の作品を展示する諏訪市原田泰治美術館があります。
原田氏は、昭和40年代から「ふるさと」をテーマに全国を取材され、日本各地に残る素朴な暮らしを描いてこられました。どこにでもあるけれど日本から失われようとしている風景を、石垣の一つひとつ、野に咲く花の花びら一枚一枚に愛情こめて描かれています。

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現在、原田泰治美術館では、開館15周年特別企画展として「原田泰治の日本ふるさと味紀行」が開催されています。風光明媚な諏訪湖畔で、原田氏が描いたふるさとの味とともに「心いやされる」ひとときを過ごしてみませんか?
【開催期間は2014年4月23日(水)まで】


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「食を支える人々の姿を描きたかった」
「食」は暮らしの基本。日本各地を見渡せば、それぞれの風土に合わせて作られる農産物や特色ある食文化がたくさんあります。様々な産地を見てきた原田泰治氏は、「食」を描いた作品について、「何気なく食べてきたものが、こんなに大変な苦労をしてつくられていたのかと驚く。我々の食卓を守るよう、陰で支えてくれている人たちの姿を描きたかった。」とおっしゃっています。

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『氷餅』
厳しい寒さを利用してつくられる
諏訪地方の郷土食のひとつ


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『栗』
秋の小布施を訪れ栗拾いの様子を描いた

日本といえども当然見たことのない風景もあります。しかし、どこか共通するところがあるのでしょうか、どれも懐かしく感じられ心が温まります。

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『商店』

絵画の他に、氷餅の制作方法の紹介やはちみつの採取道具の実物展示もあり、この地域の暮らしの知恵や食文化を身近に感じることができます。

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「食」は、私たちの生活に欠かせないもの。それだけに皆さんにも「食」にまつわるいろいろな思い出があると思います。「原田泰治の日本ふるさと味紀行」をきっかけに、これからの日本の食卓について考えてみませんか。

鳥の目・虫の目
小さな命にあたたかいまなざしを

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細川副館長に伺いました

原田氏は、すべて現地に行って地元の方とお話をして描いています。
絵の特徴として、「鳥の目(俯瞰する)」と「虫の目(細かく描く)」があるそうです。幼いころに小児麻痺にかかり両足が不自由だったため、疎開先の飯田市伊賀良で家族が畑仕事をしているのを高台からずっと見ていました。また、足が不自由で動けないので、足下にいる虫たちをじっと観察していました。そのような経験から、鳥の目・虫の目の特徴が生まれたそうです。また、全ての絵に人物の目鼻がありません。絵を見た人が心の中の人物を思い出してもらうようにと、目鼻のない顔を描かれているそうです。

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作品に登場する「ふるさとの味」を召し上がれ
諏訪湖を一望できるティールームでは、企画展の特別メニューとして展示にもある氷餅や栗、長野県のふるさとの味であるおやきや寒天寄せ、そば茶などを味わうことができます。

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ティールームで食べられるおやきと氷餅

旅のお土産にもぴったりな、氷餅、栗菓子、はちみつ、信州産丸大豆醤油など、地元の銘産も販売しています。作品の中の風景をすぐに味わえるなんて、嬉しいですねヾ(*´∀`*)ノ 実際に味わうことで、懐かしい風景をより一層身近に感じられそうです。ちなみに、原田泰治氏はいつも「かりんティー」を好んで飲んでいるそうです。諏訪湖畔には「かりん(実際にはマルメロ)並木」があるんです。ちょうど10月8日からマルメロの収穫が始まっています。

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キルトと絵画の共演も楽しみです。
2013年11月16日(土)から第10回絵画キルト展も開催されます。一般の方からの応募による原田泰治氏の絵画をキルトで再現した作品が、原画と共に展示されます。「キルト作品は迫力があって素敵ですよ! ぜひ、見に来てください」と、細川副館長おススメの展示です。併せて鑑賞したいですね。

20131009thmuse12.jpg諏訪湖畔がアートでつながる
「諏訪湖アートリング」

長野県は、東京都についで美術館・博物館の数が多いといわれていますが、中でもこの諏訪地域は全国でもまれな美術館・博物館の集積地域なんです。
諏訪湖周辺の16の文化施設が連携した「諏訪湖アートリング」は、個性豊かな文化施設と風光明媚な諏訪湖の景色とを楽しみながら、文化・芸術に触れることのできるひとつの大きなミュージアムという構想のもと立ち上がりました。
アートリング検定やイベント等も開催されておりますので、チェックしてみてください。

■読者プレゼント
「諏訪市原田泰治美術館」のペア招待券を、抽選で10名さまにプレゼントします!

ご希望の方は、
1、住所
2、氏名
3、年齢
4、電話番号
をご記入の上、「諏訪市原田泰治美術館 招待券希望」と明記し、下記のあて先までEメールでご応募ください。
【2013年10月30日締切】
※発送をもって当選発表に代えさせていただきます。

【応募のあて先】
JA長野中央会 総務企画部 企画広報課
「長野県のおいしい食べ方」編集部
kikaku-kouhou@chu.nn-ja.or.jp

◇関連リンク
諏訪市原田泰治美術館
住所: 長野県諏訪市渋崎1792-375
電話: 0266-54-1881
Fax: 0266-54-1882

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