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野沢温泉では朝市も楽しまないといけません

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写真提供:野沢温泉村役場

野沢温泉村(下高井郡)は、北信濃毛無山の麓にあります。芸術家岡本太郎が愛した野沢温泉。30余りもの源泉がコンコンと地表に湧き出ていて、旅館や土産物屋などがぎゅっと寄せ固まって立ち並んでいます。「外湯めぐり」を楽しむ13箇所もの共同浴場も点在しており、路地の脇を流れる用水路の涼しげな水の音を聞きながら、狭く曲がりくねった坂道の多いこの温泉街を、地図を片手にのんびりと、さまざまな趣をもち効能の異なる、少し熱めの外湯を廻ってみるのは、どこか懐かしくも心安らげる、この地を訪れた楽しみです。しかしこれからの季節、野沢温泉村の楽しみはそれだけではなくなります。5月の連休からこの温泉街では、爽やかな朝の風物詩として30年続く恒例の「朝市」が開かれているからです。

野沢菜入り野菜コロッケ、いけてます!
村の特産品があれこれ並ぶ中、名物のひとつとなっているのが、野沢温泉が発祥とされる野沢菜を使った『野沢菜入り野菜コロッケ』。このコロッケに入る野沢菜は、漬物として長い冬のあいだ樽に漬かり、気温の上昇した今の時期には発酵が進んで酸味を増した「古漬け」と呼ばれるひとクセあるものです。各家庭ではこれを佃煮や「おやき」の具にしたりと、余すことなく大切に使い切りますが、この酸味を活かして多くの人に受け入れられる味にするには何度も試行錯誤が繰り返されたそうで、今ではこのコロッケ、GWには1時間半で500個も売りあげたとか。

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これが一時間半で500個を売った伝説の野沢菜入り野菜コロッケ

さらに野沢菜を使ったもう一品が、春の野沢菜のとうだちした菜っ葉を使った「野沢菜入り刺身こんにゃく」。色彩乏しいこんにゃくに鮮やかなグリーン色が見た目にも優しく、食欲をそそる仕上がりです。これはきっとこれからの暑い時期に向けてのメニューにピッタリでしょう。またさまざまな料理に組み合わせられる「万能みそ」も自慢の一品として販売されています。

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野沢菜入り刺身こんにゃくと自慢の万能みそ

郷土料理で村を元気に
これら加工品を続々と生み出し販売しているのは、竹井孝子(たけいたかこ)さん(68)を代表とする地元「郷土料理研究会」のメンバー9名。全員が民宿や店の経営を本業にしています。地元出身がほとんどの女将さんたちが、朝市に出店するようになったのは、野沢温泉を訪れる人に、地元ならではのものをPRして、味わってもらいたいという願いから。ですからこの研究会の名前には、彼女たちが一番の得意とする「郷土料理でなにか、この土地らしいものを作っていきたいね」というメンバーの思いが込められているのです。

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郷土料理研究会のみなさん

平成の初め頃のこの街は、温泉街を散策する多くの人で溢れかえっていたといいますが、今では当時の華やいだ様子は陰を潜め、訪れる人の数も以前より減っているそうです。そうした時代の移り変わりを強く感じるのは女将さんたちならではのことでした。竹井さんは5年前のことを思って話します。

「この温泉界隈がもう一度あの賑やかな頃のようになって、多くの人に訪れてほしい、いえ、そうさせたい、と思ったことが活動の発端でした」

平日昼下がりの人影まばらな温泉街から一歩建物の中へ足を踏み入れると、笑顔と笑い溢れる郷土料理研究会のメンバーが、生き生きと、そしてキビキビと朝市で販売するための加工品づくりに励む姿があります。また研究会の活動は朝市だけにとどまらず、これまでに20種類以上もの土地ならではの料理が考案され、いくつかは民宿や飲食店で提供がされているものもあるそうです。

「地産地消で、郷土料理を生かした特徴ある料理を、それでまた村が元気になるようにと料理を考えています」

竹井さんは丁寧に話します。女将さんたちの活動の場は、2008年に開かれた「長野かがやき国体」スキー競技場で、伝統食である「やしょうま」を手作りして振舞うなど、もはや地域を代表する存在となりつつあります。

asaichi_ad.jpgボランティア活動は生き甲斐
現在、5月からはじまったこの朝市への出店が今一番メンバーの力が入る活動だそうですが、とはいえ朝市での売り上げは、経費等を差し引き残りは地元の福祉施設などへ寄贈するなど、いわば活動はボランティア。訪れたこの日も、次回の売り上げを村の景観保護等に使いたいという話で話が弾み、それがまた活動の励みでもあるようでした。

「儲けはないんだけど、とにかくみんなで集まって料理の作業の空き時間にお茶を飲みながら話をするのが、もう一番の楽しみ」「これがいいストレス発散なのよ」「だからこの日がとっても待ち遠しくて」「この活動は生き甲斐よ」

メンバーが次々に言葉を付け足します。そして「『この間は美味しかったからまた買いに来たよ』という言葉を聞けば、とても嬉しくてもっと頑張ろうって元気が出るわ」と瞳を輝かせます。

女将さんたちの地域に貢献する活動は地元でも知られるところで、コロッケに使うジャガイモを「これ使ってくれや」と持ってきてくれることもしばしば。地元の人たちも彼女らの活動に心からの応援と期待を寄せているようです。最後に「これからもいろいろな料理を考えていきたいと思っています」と竹井さんから楽しみなお言葉ももらえました。

朝早く起きて朝市に行くと元気になる
野沢温泉村の朝市は、5月から10月までの毎週日曜日と連休、朝6時から7時半まで大湯通りで開催されています。少しだけ早起きして足を運んでみてはいかがでしょうか。そこにはわたしたちに元気をくれるお母さんの笑顔がきっとあります。

参考サイト:

 ・北信州野沢温泉 観光協会オフィシャルウェブサイト

 ・野沢温泉商工会青年部朝市情報

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