初秋蚕出荷へ、繭かき作業

JA上伊那
「初秋蚕出荷へ、繭かき作業」の画像
日にかざしながら繭を確認する大槻さん

長野県のJA上伊那管内で9月上旬、初秋蚕(しょしゅうさん)の繭かきと出荷作業が行われた。今年、JAへ繭を出荷する農家は4戸。年間で1.6トンを見込む。最盛期に比べると養蚕農家は大幅に減少したが、今年は新規農家が出荷を始め、天候にも恵まれ量は前年より増える見通しだ。
JA養蚕部会員で、箕輪町の大槻文利さん(72)は、回転蔟(ぞく)と呼ばれる枠の中にできた繭を、日にかざしながら一つ一つ確認。大きさや色を見て規格に合わない繭を外す作業に励んだ。蔟に残った良い繭は専用の機械で一気にかき、大きさや品質で分けてJAへ出荷。県内の製糸所で糸にされ、着物の生地などに使われる。
蚕は飼育時期によって春蚕(はるご)・夏蚕(なつご)・初秋蚕・秋蚕(あきご)・晩秋蚕(ばんしゅうさん)と呼ばれる。初秋蚕は8、9月に飼育される蚕で、JA管内で3戸の農家が生産。約3週間かけて蚕を繭まで育てた。大槻さんは「天候が良く、蚕の成長や桑の生育が順調で良かった」と話した。
上伊那地域では明治から昭和初期にかけて養蚕が盛んで、1956年には約1万3000戸が生産。養蚕農家らが作った組合製糸が農協運動の発祥ともいわれている。
JA営農部の養蚕指導員、北原将充さんは「今年は新規の農家で出荷量が増えているので期待したい」と話した。初秋蚕までの出荷量は前年比15%増。各農家では、秋蚕と晩秋蚕の飼育が始まっている。