地域緩和ケア、住民が学ぶ

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講演する間宮敬子教授

JA長野厚生連北信総合病院は、中野市の同病院で「第7回がん公開講座・緩和ケア講演会」を開いた。
がんの治癒率向上や、がんと付き合いながら社会生活を送っている人たちの増加を背景に、自宅療養を中心とした地域緩和ケアの役割や可能性の変化・広がりを受けて開いた。地域住民や医療関係者ら110人が聴講した。
「大学と地域を結ぶ緩和ケア」と題し講演した信州大学医学部附属病院・信州がんセンター緩和部門の間宮敬子教授は、医師として研修のために留学したカナダ・エドモントンのアルバータ大学での体験をもとに、地域緩和ケア体制のあり方について語った。
間宮教授は、患者評価ツール共有の重要性に触れ「患者が県内どこにいても、いつ、誰が患者を評価して、同じツールを使うことで、緩和ケアひいてはがん治療の質を向上させることができる」と強調した。さらに、医療関係者が関与する1~3次の緩和ケア体制に加え、市民・患者が中心の0次緩和ケアの重要性を指摘。「有事や死に対する心構えや備え、地域社会で生や死を支える文化が緩和ケアの地域連携で欠かせない」と述べた。
また、2017年のがん対策基本法改正を踏まえ「(改正は)緩和ケアを、がん以外の病気にも広げることを国として公式に確認したもので、緩和ケアの役割、地域連携の重要性が一層増す。地域で基本的な緩和ケアができる医師と拠点病院における専門的緩和ケアができる医師の育成が必要だ」と話した。

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