ブロッコリー生産振興、製氷機設置や出荷規格見直し

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集荷されたブロッコリーに氷詰めをする支所職員ら

長野県南相木村のJA長野八ケ岳南相木支所は、ブロッコリーの産地化を図るために、出荷に必要な製氷機を新たに支所集荷所へ導入した。6月下旬から出荷シーズンを迎え、本格的な稼働が始まっている。主産品のハクサイの適正生産に向けて、市場での引き合いが強いブロッコリー栽培を呼び掛け、農家所得の向上を目指す。
同支所では、年間約80万ケースの野菜を出荷し、そのうち7割強をハクサイが占める。同JAは、生産者へハクサイの適正生産を推奨。同支所は代替品目としてズッキーニやカリフラワーなど提案し、年々出荷数量は増えている。ただ、価格変動や作業効率などの面で課題も多い。そこで注目したのが、県の振興品目で、JA管内の小海支所や川上支所、南牧支所で生産するブロッコリー。
JA管内の冷涼な気候が栽培に適し、良質な品を生産し、市場での引き合いも強い。ブロッコリーは鮮度保持のため、氷を詰めて出荷する。そこで同支所は昨年度、製氷機の導入を決め、生産者に栽培を呼び掛けてきた。講習会を開き、栽培方法や出荷規格などを指導。昨年度まで2人だった生産者は今年度は12人に増え、年間出荷数量8000ケースを目標に掲げる。
市場関係者やJA全農長野、生産者と検討を重ね、出荷規格を見直し。1箱4キロ(15玉)を今年から6キロ(20玉)に変更して輸送コストを削減した。荷造りも変えて作業効率の向上を図った。販売店では大玉が好まれることからL玉の新基準を設定。輸入品との差別化や花蕾(からい)保護のため、枝を長めに残し葉を付けた状態で箱詰めする。
営農センターの担当者は「品質を維持しながら、販売しやすい形で品物を作ることで、少しでも高く売ってもらい、生産者の所得向上につなげたい」と強調する。
ブロッコリーを栽培する同支所野菜部会の西澤示郎部会長は「手探りの部分もあるが、とても良い物が育っているので、消費者に喜んでもらえる品物を出荷していきたい」と話していた。
今年の管内産ブロッコリーは、品質良好で順調に出荷量を伸ばしている。同支所は、ブロッコリーを安定供給できるよう、今後も生産者に栽培を呼び掛け、定着を目指す考えだ。

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