TPP本質を訴え、暮らしの影響 発信

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食品表示について話す立石部長

環太平洋連携協定(TPP)に反対する38団体は10日、長野市のJA長野県ビルで「TPPに反対する連絡会議」を開いた。今後も連絡会議の枠組みを維持して県民の理解促進を進めることを確認した。
TPP交渉は昨年10月に大筋合意し、2月に協定の署名式が行われたものの、今後の国会批准などの動向を注視する必要がある。こうした情勢を踏まえ、38団体は引き続き情報を共有化するとともに、今後の取り組みについて議論するため会議を開いた。
会議では、TPPをめぐる情勢と今後の取り組みの進め方、各団体の取り組み状況などの情報を共有。この中で、学習活動の強化や26日に地元紙に意見広告を掲載することを提案。出席者から、暮らしへの影響やインターネットなどを活用した情報発信に力を入れるべきだとの意見が出された。
会議後は、TPPへの参加で問題視されている食品表示・原料原産地表示についての学習会を行った。
講師を務めた全農食品品質表示管理・コンプライアンス部の立石幸一部長は、1972年に輸入自由化された大豆を例に挙げ、国内農業に大きな影響が懸念されることや、日本国内の表示の課題を説明。「日本の表示事情は欧州連合(EU)などと比べて緩い部分があり、政府の主張するTPPの発効による輸出の増加に向けても障害になる恐れがある。原料原産地表示の拡大は、一部の業界団体が反対しているものの、消費者の自主的な選択の機会が確保できる制度にすべきだ」と指摘した。
38団体には農業関係団体だけでなく、消費者団体は医療団体などが参加。「緩やかなネットワーク」として、TPPに反対する組織を構成している。

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