ふるさとの食で地域を学ぼう

01)春 ─ 季節の節目を祝う行事
02)春 ─ 豊作を願う田んぼの行事
03)春 ─ 実践の手引き 田植えの時期に
04)夏 ─ 夏のごはん
05)夏 ─ 地域の味、粉もの
06)夏 ─ 実践の手引き 夏野菜収穫の時期に
07)秋 ─ 実りを感謝する行事
08)秋 ─ 実践の手引き 収穫の時期に
09)冬 ─ 新しい年を迎える行事
10)冬 ─ 食べ物を保存する知恵
11)冬 ─ 実践の手引き お正月の時期に
・資料 ─ 長野県の食暦、春夏秋冬イラスト

春 ─ 季節の節目を祝う行事 ine_head_right

桃の節句 ─草もちが香る春いちばんの行事

でっち草もち(安曇平)
米の粉を熱湯で溶いてでっちる(こねる)草もち。きな粉をまぶして食べます。

 いよいよ忙しくなる春の農作業にそなえて、桃の節句には家族みんなで休みをとりました。寒さがきびしかったこともあって、桃の節句を4月3日におこなう地域が多かったようです。
 おひなさまにひしもちをお供えする習慣は今も見られますが、ひし形は心臓の形を表わしたものといわれ、これを食べることで強い力を得て悪いものを追い払うようにという願いが込められています。そのほか、安曇平・佐久平・飯山ではもちを煎ったあられをつくったり、諏訪・西山ではいり豆をつくって供えました。甘酒も、味噌づくりに使うこうじとおかゆで手づくりしました。
 またどの地域でも、よもぎを使った草もちがよくつくられました。ほかの行事やお祝いでも草もちをつくりましたが、保存しておいたものでなく、摘みたてのやわらかいよもぎの芽でつくる草もちは、春のなによりのごちそうでした。

端午の節句 ─植物の力で悪いものを追い払う

 端午の節句も、6月5日に祝う地域が多かったようです。しょうぶの葉のほか、よもぎも悪いものを追い払う力がある植物として、いっしょに軒先につるす習慣がありました。
 柏もちは端午の節句に欠かせないお祝いの食べものでした。柏の葉は、新しい若葉が芽を出したあとに古い葉が落ちることから、子どもが家を継ぎ代々栄えるようにという願いがこめられています。飯山では柏が少なく、楢の葉をかわりに使うこともありました。西山のかやちまき、木曽の笹巻きなどを柏もちのかわりにつくる地域もありました。また、伊那谷では山菜煮をつくり、春の味を楽しみました。

かやちまき(西山)
新しく嫁さんがきた家では、初節句に実家へ持っていき、無事と感謝のしるしにします。かやの葉のとがって長い姿が鬼の角を表わし、家を守るといわれています。

しょうぶの節句の笹巻き(木曽)
お米でつくった笹巻きを、すげ草でゆわえてゆでます。笹に包んであるので風味もよく、保存もききます。

魔除けにしょうぶとよもぎを軒下につるす(飯山)

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