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スノーキャロットはニンジンを超えた存在だ

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長野県北部のそのまた北部。新潟県との県境に広がる場所で、ブナの木々が今も生い茂る鍋倉山と開田山脈の山懐に抱かれた広大ななべくら高原。例年なら11月中旬から4月下旬頃までは4m〜6mの雪に覆われるのが普通の豪雪地帯。本来は4月の終わり、ゴールデンウィークに紹介したかったのですが、今年は暖冬の影響で、すでに残雪が1m〜2mとなり、遅い春を迎えようとしているなべくら高原から今の時期だけ、そう、もう今週だけとなった「スノーキャロット」を紹介します。

お話しをうかがったのは、その鍋倉でスノーキャロットを生産するただ一人の江口宗晴(えぐちむねはる)さん61歳。スノーキャロットの他にもラベンダーや山ごぼうなどなど、さまざまなな作物を育てている農業者で、口ひげをたくわえていて、その人柄から地域だけでなく県内外にも名を轟かせ、人からは「ひげむねさん」と呼ばれている長老のお一人です。

higemunesan-1.jpgなんでも聞いてください

好きな言葉を教えていただけますか?

「『馬の角(つの)をつくる』です」


「馬の角をつくる」とはなんです?

「馬に角はないでしょう? だから、ないものをつくること。どんなことにも、挑戦し続けたいってことかな」(笑)


スノーキャロットをつくりはじめてどのくらいになりますか。

「40歳前からだから、23〜4年だよ」


それは偶然の出会いから

スノーキャロットはどのようにして産まれたのですか?

「この鍋倉の地は冬に5mも雪がつもるほどの豪雪地なんだ。はじめは冬場の農作物が出来ない時期に何とかして収入になるものをみんなで作ろうと学習会を開いていました。学習会でもなかなかよいものが出てこなくて、そのうちに春になってしまって。雪の解けはじめた春の畑へ行ったんだ。すると秋に収穫するはずのニンジンが残っていて、洗って食べてみてびっくり、おいしかったんだよ。つまり、偶然出あったんだな」

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スノーキャロットの特長は?

なんといってもその「甘み」だね。初めて食べた人で、ニンジンだってなかなか信じてくれない人もいるほどだよ(笑)。今はサラダニンジンとして紹介しています。だから、スノーキャロットはそのままカジって食べるのが一番うまい。刺身ニンジンなんて言う人もいます。だから、みなさんの想像するニンジンとは全くの別物です。


今収穫されているのは、いつ植えたもので、どのくらいの面積作付けしましたか?

「昨年(2006年)の7月半ばに植えました。面積はだいたい80aぐらいだね」


収穫量はどのくらい見込んで?

「それが、全く分からないんだよ。その昔、同じだけ作付けして約10キロしか収穫できなかった時もある。でも、今年は小ぶりだけど、それなりに収穫は出来そうだよ。例をあげると、秋に普通に収穫して取れる収穫量の半分出来ればよいほうだ」


雪を掘ってみるまでわからない

栽培が難しいのですね。

「そうなんだ。試行錯誤を繰り返し、現在甘みの出る品種を植えています。ただ、気候の影響を受けやすく、芽さえ出なかったり、うまく成長しなかったりもするんだな。だから、秋にある程度成長しても、ホッとは出来ない。雪が降って、雪の下になっても、根が腐れてしまう病気や、ねずみにニンジンをかじられてしまうこともある。結局、雪を掘ってみないとわからない。だから、採算がとれないんだよ」


雪が降ったあと、6ヶ月以上も土の中なんですかぁ?

「うむ。6ヶ月以上、雪の下、土の中ってことは、その間全く消毒はされないんだ。つまり、限りなく無農薬状態で収穫される健康食品、自然食品だな。ただ、その分日持ちはしないから、鮮度が味を決める。自然の農産物だから当然だけどね」


嬉しかったこと、つくってよかったことはありますか?

「毎年楽しみにしてくれている方からもらった言葉や手紙です。『これほど感動したことはなかった』『ニンジンを食べれなかった息子が江口さんのニンジンだけは食べるんですよ』などなど。ほんとうに、つくってよかったって思いますね。おかげで人の輪が広がりました」


将来への展望をお聞かせください。

「農業は自然が相手だから、スノーキャロットがたくさん出来るどうかはわからない。採算が合わないから生産者が増えないのは課題だけど、本当においしいものを安心して食べてもらいたいから、これからも続けていきます」


食べてみたかったら連絡を

全国の消費者のみなさんへ一言お願いします。

「今、日本農業、食の問題は大変なところにきているのをご存知ですか。今は食べるものが溢(あふ)れているけど、このままいくと、国産の食べ物がなくなってしまうかもしれません。輸入のものも時には大事かもしれませんが、なるべく国産のものを手にしてみてください。きっと、おいしいですよ。まぁ、スノーキャロットも食べてみたかったら連絡ください。でも、収穫できるのは、今週いっぱいくらいですが(笑)」

hako.jpgスノーキャロットのふるさと
ファーム鍋倉(なべくら)

スノーキャロット キロ500円
ファーマー 江口宗晴さんの連絡先
〒389−2602
長野県 飯山市 大字一山1434
電話FAX 0269−69−2822


*この時期を逃して1年先まで待てないという方の要望から「そのままんまスノーキャロットジュース」も誕生しました。99%がスノーキャロットだから、ほんとにそのまんま。江口さんのファーム鍋倉、またはなべくら高原森の家で販売しています。さらに、なべくら高原森の家では、本来ゴールデンウィークのスノーキャロットの収穫体験をしているのですが、今年はすでに終了したので、4月18日に「スノーキャロットジュース」づくり体験があります。詳しくはなべくら高原・森の家ウエブサイトで。

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