まるで野菜の宝石！彩りいろいろミニトマト｜農畜産物

キュウリ、なす、ピーマンなど多くの夏野菜が店頭に並んでいますが、その中でも目を引くのがトマト。トマトといえば、「赤」が定番ですが、このところ変わった色のトマトがあるようです。
今回は、いろいろな色のトマトのお話です。

ルーツは紫の夏野菜

トマトは、ナスの仲間だってご存知でしたか？南アメリカのアンデス山脈高原地帯が原産の多年生植物で、緑黄色野菜の一種です。日本へは江戸時代に観賞用として伝わったとされていますが、一般的にトマトが広まったのは明治末期から大正時代初期にかけてです。
日本名を唐柿（とうし）、唐なすび、六月柿、赤なすなどとも呼ばれています。
トマトは種類が豊富で、縦長のイタリアントマトや、小さいサイズのミニトマト。その他一見しただけではトマトと気づかないようなものまで、世界で8,000種を超える品種があるそうです。日本では120種を超える品種が登録されており、代表的なものが「桃太郎」です。
トマトは大きく分けると、トマトとミニトマト、中玉トマト（房どりトマト）に分けられます。
近年、長野県でもミニトマトの生産量が増えています。可愛らしいサイズと豊かな甘みで、子どもたちを中心に人気を集めています。サラダに、お弁当にと使いやすいことも人気の理由のひとつです。

7色のトマトが輝く畑へ！

いろいろなトマトを栽培しているという、飯田市鼎の木下周次さん（50歳）の畑におじゃましました。飯田市は長野県の最南端に位置し、南北に天竜川が流れています。ＪＲ飯田線の沿線にある木下さんの畑には、トマト栽培のハウスが並んでいました。

リンカを栽培するハウス

まずは、木下さんが栽培しているトマトとミニトマトの品種を紹介します。
トマトは、ファースト、麗夏（れいか）、リンカの3種類。
そして、ミニトマト、これが色とりどりなんです。

赤色‥サンチェリーピュア、キャロルスター、ラブリーさくら
紫色‥トスカーナバイオレット
緑色‥カプリエメラルド
黄色‥イエローアイコ
オレンジ色‥オレンジキャロル、ピッコラカナリア
白色‥スモールホワイト
クリーム色‥ホワイトラビット
　　
以上がミニトマト10品種。トマトと合わせると13品種になります。

リンカ

サンチェリー

トスカーナバイオレット

イエローアイコ

オレンジキャロル

ピッコラカナリア

スモールホワイト

ホワイトラビット

ファーストトマトは、3～6月に収穫するので、残念ながら今は畑にありませんでした。春に採れるので皮が柔らかくて、甘いそうです。

これは「カプリエメラルド」。緑色のトマトです。一見すると、まだ色づかない青いトマトに見えますよね。でも、よーく見ると、房の上と下のトマトの色の違いがわかりますか？緑が薄くなった状態（上）が、食べごろです。

収穫したトマトをいただきました。食べ比べてみると、甘みと酸味のバランスの違いが分かります。ただ、木下さんから渡されたトマトを次々に口に入れたので、どれがどんな味なのか......、説明できません、ごめんなさい。

「その時々によって変わるトマトの味を楽しんで」

今回、取材に協力してくださった木下さんは、就農して6年目。先代から、トマト・キュウリ・メロンを栽培。ＪＡみなみ信州青年部に所属し、地域の担い手として活動しています。
木下さんはトマトについて「時期によって味は変わります。太陽の光を多く浴びると、酸味が増します。その時々の味を楽しんで欲しい」と話します。「栽培にこだわりを持たないのがこだわり。良いと思ったことは（栽培に）取り入れたい。皆さんに美味しいと言ってもらえるトマトを、安定した収量採れるようにしたい」と熱く語ってくれました。