果物

りんごの頂点に君臨するプレミアムゴールド

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寒波の到来のたびに味がのる晩生種のりんごの代名詞「ふじ」が発売解禁になってはや数週間。みなさんもうふじを一度は手にとられたことと思います。すでに毎日食べられている方もおられることでしょう。今年もりんごがおいしくてよかったですね。

今回、週刊ブログマガジン「長野県のおいしい食べ方」毎年恒例のリンゴ特集で紹介させていただきますのは、りんごの王様とされるふじの中でも最高級サンふじにランク付けされ、ひときわ輝きを放つ「ふじのなかのふじ」、その名も「プレミアムゴールド」と呼ばれるヴェリー・スペシャルな等級のりんごたちのお話です。

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この「プレミアムゴールド」なるふじりんごは、信州の北東に位置する上高井郡高山村というところでつくられていました。

おいしいりんごが穫れる土地
高山村は、当ブログマガジンでも幾度となく紹介しているリンゴの産地。三方を山に囲まれて、ほとんどのリンゴ園が標高約600メートル以上にあるという土地。一日の気温の差が著しく大きく、善光寺平に向かう松川扇状地の地味の肥えた土など、リンゴを美味しく育てる環境がことごとく整っています。

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この高山村の豊かな大地と夏から秋にかけての強烈な太陽が育てたりんごの「ふじ」の収穫が、まさにはじまっていました。たわわに実ったふじたちは、ていねいに収穫されると、いったん高山共選所に集められ、「信州高山さわやかりんご」という高山村のオリジナル・ブランド名で販売されることになります。

リンゴの種類は数あれど、高山共選所に一番多く集まる種類がふじりんごたちです。昨年(平成19年)は、その量ナント約564トンもが収穫され運びこまれました。「今年のふじは出来がいいよ。去年同様、もしくは、一割増しぐらいの収獲量になるのでは」と共選所は見込んでいます。

プレミアムがプレミアムな理由は
「プレミアムゴールド」を世に送り出す試みは、平成18年から取り組まれ、本当に丹精込めて作った良いリンゴには、それに見合う付加価値を付けて販売していこうという生産者みなさんの思いがつまっています。

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そもそも、ふじりんごを含むありとあらゆる市販される果実は、その色づき、形、大きさ、傷などから厳しい選果(せんか:果実を選び分けること)によって、ランク付けをされています。ご家庭でおいしく召しあがれる「無印」から、お手ごろで美味しい「優」「秀」とランクがあがり、贈答用として人気の高い「特秀」と区分されていきます。なかでもとりわけグレードが高い「特秀」は、色づき、形、味、そのどれをとっても一定以上の高評価で、高山共選所ではその量も全体の4%のみになります。

まずコレだけでも十分プレミアムなリンゴふじですが、ここで終わりではありません。まだまだ、選果は続きます。さらに厳しい色づき、模様、大きさ、形、栽培環境などの条件により、この「特秀」を4段階に格付けをします。

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いっさいの妥協を許さない
そしてその中で、一番良いと選ばれたものだけ、ふじの超一級品のみが「プレミアムゴールド」となるのです。つまり厳選に厳選を重ねた結果、よくて1000個中、0.2%の割合で選び抜かれたふじだけに「プレミアムゴールド」の名が与えられるのです。ここまで選びに選び抜かれると、その色、その形、その味のどこを取ってもまつたく申し分なく、高山共選所が説対の太鼓判を押す自慢のリンゴたちです。

今年はどのくらい量を見込んでいるのですかと共選所の人に尋ねてみると「ふじの収獲はこれから本格化するため、わからないんだ。要は、よいものが多ければ多いし、少なければ少ない。今年取れたリンゴで、妥協していない、とびっきりのものだけしか出さないんだ」との返事。

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さて、このとびっきりのリンゴに選ばれるリンゴたちを育てるポイントをお聞きするために、期待の中生種「シナノスイート」のお話しを先月中旬にうかがった山粼長生さん(上写真)70歳のリンゴ園へ急ぎました。なぜなら、山崎さんは「ふじ」を30年以上も栽培されているスペシャリストなのです。

30年以上自慢のふじを実らせ続けた木
山崎さんは、シナノスイートとは別に、ふじのリンゴ園を約40a・およそ80本のふじの木をわが子のように大事に育てています。例年、山崎さんのリンゴ園からは、プレミアムがいくつも穫れるそうです。土には、たい肥や牛フンなどを混ぜた有機質をつかっています。こうするとリンゴにうまみと味がのるのだそうです。プレミアムゴールドの栽培の要点をたずねると「プレミアムにするために特別なことはないんだよ」と教えてくれました。そして笑いながら続けました。「どのリンゴも手塩にかけ、大事に育ててます。その中で特によく出来たふじが、とびっきりのリンゴとしてプレミアムに選ばれる。ひとつでも多くプレミアムが出れば嬉しいがね」

だからこそのプレミアムゴールド
とはいえ山崎さんのリンゴ園を見渡すと、すみからすみまで丁寧に整備され、手が行き届いていることを実感させられます。春から収獲まで、すべての過程で作業の手を抜かない積み重ねこそが、プレミアムへの近道だとも教えてくれました。

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「今週から25日までに、ふじをおおむね穫り終えます。少しでも長く木についていたほうが、美味しくなるのですが、雪が降るとリンゴ自体がダメになってしまうこともあります」そういうと山崎さんは最後に、「プレミアムゴールドは、われわれ生産者たちが目標としてきたリンゴのひとつの形です。特別な人に贈るときっと喜ばれるでしょう」と話してくれました。

サンふじ「プレミアムゴールド」のお問い合わせは:

JA須高 高山共選所
長野県上高井郡高山村大字高井528−1
電話026−245−2348

サンふじ「プレミアムゴールド」のご購入は:

全農長野 僕らはおいしい応援団
信州リンゴ サンふじ販売ページ

関連過去記事:

シナノスイートはもう召しあがりましたか?(10月22日付)

こちらは の記事です。
農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。

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