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果実のプロが伝授!「春のりんご」の選び方

りんごの選び方

長野県内の某農家さんが春先から出荷している家庭用サンふじ 小玉

上のりんご、どれもおいしそう! ですが、春まで品質を維持したりんごを選ぶには、見た目だけでは判断できません。
今回は、2016年11月に「読者の疑問に答えます!りんごのおいしい見分け方」の記事を担当したヤマグチが、「春のりんご」の選び方を伝授します。
十人十色と言うように、りんごにも個体差があります。大玉で美しい外見でも、「ボケりんご(果肉が柔らかくなり粉質化した状態)」になっていたり、小玉で肌(果皮)が荒れ外見は劣っていても、中身はシャッキッとしていておいしかったり・・・。一見しただけでは、分かりにくいかもしれませんが、よ~く観察し、食べ比べていくと分かるようになってきますよ。

まずは「りんごの変化」を知るところから

りんごの選び方

昔ながらの木箱での保存

長野県では、8月から12月上旬頃までに、りんご各品種のほとんどが収穫を終えます。以降は日持ちの良いサンふじ・シナノゴールドなどを中心に、貯蔵したりんごを出荷しています。貯蔵技術の進歩や、貯蔵用に完熟前に収穫するといった工夫により、春でもシャキッとしたりんごが食べられるようになってきていますが、旬の時期とまったく同じとはいきません。農家によっては、分厚い土壁の蔵で貯蔵するなど、昔ながらの方法で温度変化を抑え、十分にお楽しみいただけるりんごを出荷している方もいます。しかし、収穫後のりんごの品質は徐々に変化し、特に3月以降のりんご選びは、「果肉がしっかりしていてボケていないりんご」を見分けるため、目利きが必要になってきます。
※一部の先進的な農家・低温貯蔵施設・雪中貯蔵りんご等を除く

貯蔵したりんごには、春が近づくと下記のような品質の変化が起こります。

・ボケる(果肉が柔らかくなり粉質化する)
・酸味が薄くなる
・水分が少なくなる
・果皮にシワがよる
・未熟なりんごもおいしくなる
・蜜褐変が生じる(蜜の変色・腐敗。外見からは判断できない)

ここでは、「蜜褐変」について詳しくみていきましょう。蜜が入りやすいサンふじなどに起こる現象で、種の周囲を中心に果肉が茶色く変色することを言います。通常サンふじの蜜は1月頃までに分解され、果肉に吸収されてしまうのですが、蜜入りがよく、3月頃になっても果肉の中にたくさん蜜が残っていると茶色く変質し、それが進むと内部から腐ったような状態になります。お客様のお手元に届いてから、温度変化によって急速に「蜜褐変」の症状が進む場合もございますので、春のりんごはお早めにお召し上がりいただきますよう、お願いいたします。

春でもおいしいりんご、どう見分ける?

「ボケていないりんご」を探す目安をご紹介します。個体差がありますので、下記のポイントをおさえても品質が低下しボケている場合もあります。店頭(特に直売所)でりんごを選ぶ際の参考にしていただければ、と思います。

■小玉ほどボケにくい
小玉ほど果肉のしまりが良く、大玉と比べてボケるのが遅い傾向にあります。

りんごの選び方

大玉より小玉のほうが、果肉がしっかりしている傾向にあります

■大きさに比べて重い
大きさに比べて重いりんごは、水分が抜けておらず果肉がしまっている傾向にあります。

■傷・ひび割れ・ツル割れがない
傷・ひび割・ツル割れがあると、そこから水分が蒸発し、品質が低下する傾向にあります。
傷がある場合、成長過程で傷がしっかり塞がっているものを選ぶと良いでしょう。

20170329ringo04.jpg■果皮にシワがよっている
ボケにくく比較的果肉がしっかりしている傾向にありますが、水分が若干少なく感じます。シワがよった見た目から、店頭に並ぶことは少ないです。

■りんごの軸が枯れていない
鮮度が保たれたりんごの軸は、水分が残り枯れていない傾向にありますが、このようなりんごでもボケている場合もあります。

■軽く叩くと「コンコン」音がする
すいかを叩いて中の空洞の有無を確認する方法がありますが、りんごもこの方法で果肉の硬さを確認できます。すいかとは大きさが異なるので、デコピンの要領で軽く叩くと、硬いりんごはコンコン、柔らかいボケりんごはボクボクという感じの音がします。
※強く叩くとりんごが打撲しますので、ご購入後にお試しください。ただし、果皮にシワのよったりんごは、この方法で判断することは難しいでしょう。

■冷蔵貯蔵品である
冷蔵貯蔵施設で適切に温度管理したりんごだからと言って、品質が完全に保たれているわけではありません。店頭での時間経過や個体差がありますので、目利きの上お求めください。

大きさの割りに重いりんごを探してみよう

個人の好みもあるかもしれませんが、ヤマグチはこの時期にサンふじを購入する場合、ボケていないものを選ぶために、「重い小玉」と「シワのよった中玉」に狙いを定めております。大玉でも品質の良いものはありますが、お値段が・・・^^; 色付き・果皮の状態等も判断基準にはなりますが、個体差があり感覚に頼る部分が大きく、文章で伝えるのも難しく誤解を与えかねませんので、いろいろ試して感覚を研ぎ澄ませていただく他ありません。皆様も、店頭にりんごが並んでいたら、さまざまな要素を比較して、予算内で一番良いと思った品を買っていると思いますが、失敗した経験はありませんか? 目利きを身につけられれば、本当に良い品を選べるようになるかもしれませんよ。まずは、一番簡単で間違いが少ないポイントとして、大きさの割りに重いりんごを探すことからはじめてみてください。

りんごの選び方

おいしいもの・良いものを安く買いたいのは人の常ですが、農産物は農家さんが気持ちを込めて生産・出荷しています。収穫後すぐに全量を農協・市場に出荷してしまえば、農家さんの貯蔵によるロス(傷み等による廃棄)はないのですが、できるだけ自分の手元で管理し、春のりんごをお客様に楽しんでいただきたい、という想いが農家さんにもあります。生鮮品のため、生産元での保管、流通、ご購入後のご家庭での保存と、日を追うごとに品質が徐々に低下することは避けられません。農家さんは、良さそうなものだけを選んで出荷しておりますので、個性や季節感のひとつとして「春のりんご」をお楽しみいただければ幸いです。
春のりんごはボケてしまっていることが自然であり、それを研究者・流通関係者・農家さんの協力のもと、より良い状態でお届けできるよう、産地で試行錯誤しております。今後に期待していただければと思います。

保存のコツ&活用レシピ

■りんごの保存
春は空気が乾燥し、気温が高くなってくるため、お求め後は必ずナイロン袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存し、なるべく早くお召し上がりください。屋外や暖房の効いた部屋、南向きの部屋において置くと、1週間以内で「ボケりんご」になってしまう可能性が高くなります。

りんごの選び方

ビニール袋に入れたりんごをコンテナで保存

■ボケりんごの活用
ボケりんごが苦手な方は、加工や料理に使ってしまうのが良いでしょう。ジュースやジャムへの加工は皆様もご存知と思います。では「りんごのバター焼き」はいかがでしょうか? ちょっとオシャレに食べたい時にお試しください。

りんごのバター焼き

りんごの選び方

材料 りんご 1玉 バター 20g
レモン果汁 5cc
砂糖 10~20g(りんごの量や甘さの好みで調整)
塩 ごく少量
りんごジュースorワイン 50cc
シナモン 適量
作り方 (1) りんごを洗い(皮は剥かない方が望ましい)、大きさに応じて8~12等分位を目安にくし切りにする。(厚く切ると食感が残りやすい)   (2) 中火で熱したフライパン(焦げにくい加工のものが望ましい)にバターを入れ、溶けたらりんごを入れ、片面に焼き色がついたらひっくり返す。   (3) レモン果汁、砂糖、ごく少量の塩、りんごジュースorワインを入れる(赤ワインを使うと果肉が赤紫に染まる)。りんごの食感を活かしたい場合は中火~やや強火で。しっとりとした煮りんごのような食感を楽しみたい場合はフタをし、弱火で少し水分が残るくらいまで煮詰める。   (4) シナモンを振り、薄っすら焦げ目が付くように水分を飛ばしたらできあがり。

彩りにハーブの葉を添えて召し上がれ。熱々を紅茶やウインナーコーヒーでいただくのがオススメです。欧州ではこんな感じの食べ方もするのでしょうか? いろいろな思いを馳せて、すてきなティータイムをお楽しみくださいね。

この他に、薄くスライスして電子レンジで加熱するだけで、りんごチップスも作れますよ(切る厚さによりトースター等での加熱も必要)。空気の乾燥する春は、煮りんごにしてから風の当たる場所に干すことで、半乾燥りんごも楽しめます。焼きりんごも子どもたちが喜んでくれそう・・・。あなたのとっておきりんごレシピも、ぜひ教えてくださいね。

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