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ぶどう産地・桔梗ヶ原で出会ったカッコイイ冬仕事

ぶどう剪定

「実りの秋」に対して「準備の冬」とも言える季節。今回は、この時期に欠かせない、大切な冬仕事(剪定*1作業)をご紹介します。

産地を支える若手が講習会に集合!

ぶどう剪定

ぶどう畑の広がる桔梗ヶ原

やってきたのは、長野県中部、ぶどうの産地としても有名な塩尻市桔梗ヶ原。冬のぶどう畑ってよ~く見たことがありますか? 一面茶色(枝も土も)で、渋い色合いこの上ないのはもちろんですが、近づくと立派な枝ぶりに迫力さえ感じられます。

ぶどう剪定

シャインマスカットの樹木

そんな中、ぶどう畑の一画に集まって何やら話こんでいる数人が・・・。実はJA塩尻市青壮年部(果樹専門部会)の皆さんによる剪定講習会が行われていました。この日は10人ほどの若手ぶどう農家が集まっていろいろな意見を出しながら技術を高めあい、オイシイぶどう作りに励んでいるとのこと。

ぶどう剪定

ぶどう畑の一画に熱気ある小集団が

観察と意見交換からダイナミックな剪定作業へ

では、そぉっと近づいてみましょう♪
モデルとなるぶどう「シャインマスカット」の木の下で、まず枝をじっくり観察しています。するとその場で「枝の先端をよく見る」「追い出し*2で一年様子を見る」「他の枝との調整で来年切る」「奥が空いているのでこの枝を返して*3先端を残す」「スペースがもったいないのでここを伸ばす」など、メンバーからどんどん意見が飛び出します。

それを園主でありJA塩尻市青壮年部副部会長の塩原一佳さん(35歳)とJA塩尻市営農担当の市毛職員が中心となって、意見をまとめながら方針を決めていきます。

ぶどう剪定

枝ぶりを観察し、どの枝をどう切るか考える

ぶどう剪定

園主の塩原さん(右)とJA塩尻市市毛担当

ぶどう剪定

阿吽の呼吸で選定作業をするメンバー

ぶどう剪定

木の元の方へ枝をかえす

ぶどう剪定

作業中も確認は欠かさない

ぶどう剪定

剪定後、青く広い空が広がる

決まるや否や、メンバー全員が一斉行動。木曽からの吹きおろしにさらされる厳寒の中、阿吽の呼吸で目の前の枝を大胆に勢いよくカットしていきます。終わると隣の区画へ。移動しては、観察 → 意見交換 → 剪定・・・と静と動の繰り返しです。この一連の動き、カメラ越しにも迫力満点!!

あまりの勢いに、適当に切ってる訳じゃあないと知りつつも思わず・・・「どの枝をどう切るんですか?」。編集部員の問いに、「経験と堪!!」と笑う塩原さん。

枝の成長具合がおいしさの決め手に!?

そんな塩原さんから、ここでクイズです。

Q:ぶどうの実は、枝のどの部分になるのでしょうか?

皆さんご存知ですか? 正解は・・・。

A:芽から生える新しい枝
枝のこの突起部分(節の部分)にご注目~♪ この小さな芽から春(5月下旬)になると新しい枝が伸びてきます。その枝にぶどうができます。

ぶどう剪定

塩原さん愛用の剪定ばさみ

ぶどう剪定

節にある芽から今年の枝が伸びて、ぶどうがなる

そう、毎年生えてくる新しい枝にだけぶどうがなるのです。その新しい枝を伸ばすことが第一、ただし伸ばしすぎてぶどうの房をつけすぎても味や大きさに悪影響が・・・。効率性も考えます。そのためには去年伸びた枝の余分な枝を切り落とす必要があります。枝の成長状態や日あたり具合によっても、さらに言えば来年・再来年の状態まで見越して将来図を描くことが大事だそう。「どの枝を切ってどの枝を残すかで、その年のぶどう(味や収穫量)に大きな影響がでる。ここが農家の腕の見せ所・・・」と教えてくれました。
隣同士の枝がぶつからないように切りながら、特に混みやすい箇所は、素人目にはかなりバッサリ間引く。剪定後には、ぽっかり空を望めるほどゆったりした空間が広がっています。

ぶどう剪定

剪定直後、すっきりしたぶどう畑の一画

「『カッコイイ枝』を目指しています!」

ぶどう剪定

就農8年目の塩原一佳さん。カッコイイ枝を目指して

他に、ぶどう「ナイアガラ」「コンコード」「巨峰」「ナガノパープル」「サニールージュ」、梨「幸水」「南水」「豊水」「あきづき」「バートレット」「ラ・フランス」「オーロラ」など、約1.6ヘクタールの畑で数多くの品目を栽培している塩原さんは、就農して8年目。剪定における判断や自信は4~5年目頃に見えてくるものがあったそう。
「一言でいうと『カッコイイ枝』を目指しています!」という塩原さん。それぞれの枝と1本1本向き合う根競べを続け、ぶどう畑の未来予想図を描きます。伝え切れないほどの剪定の奥深さに触れ、今から収穫の秋が本当に楽しみです♪

ぶどうの「冬仕事」はこの日の剪定だけで終わるわけではありません。剪定した枝を縛ったり、房ができるのを促したり、房の数を調整したりといった根気のいる作業が続きます。その後も、粒の数をそろえたり、袋をかけたりと、おいしいぶどうを育てるため、手間ひまをおしまず年間を通じて作業が行われます。
参考サイト:「塩尻ぶどう10の美味しさの秘密」(JA塩尻市)

 

ぶどう剪定

シャインマスカット 写真提供:JA塩尻市

ちなみに、昨年収穫したナイアガラとコンコードのジュースは、JA塩尻市「新鮮市場ききょう」で購入できます。丸ごと搾るため若干にごりがある濃厚なジュース☆ 秋の収穫まで待てない方はこちらをどうぞ!!

ぶどう剪定

コンコードジュース(右)とナイアガラジュース(左)

JA塩尻市

JA塩尻市 新鮮市場ききょう

剪定*1 果樹や植木などの生育・着果促進のため、樹木全体の調和をはかり枝を切ること。樹形を整える作業も含む重要な管理作業。特に果樹では花芽や果実の結実などに欠かせない。切り残しや巻きひげは、病原菌の越冬場所になってしまうので剪定の時に取り除く。

追い出し*2 追い出しとは、最終的にはその枝を切り落とすが、すぐ切ると空間ができてしまうので数年間は残す枝のこと。ただしあまり太くしないなど樹勢の調整が必要。

枝を返す*3 「返し」とは、今年伸ばす側枝で元の樹木に向かって戻すこと。樹勢の調整が必要。

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