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小さなサクランボ鉢で感じる大きな幸せ

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桃の節句を過ぎても、まだ雪景色の多い信州ですが、今回は初夏を先取りした可愛らしくて珍しい「サクランボ」についてお伝えします。
甘酸っぱくて、コロンとした紅い実のサクランボは、その輝きを見ただけでも頬が緩んでしまいます。一般的に、苗を定植後5〜6年経って大きく成長した木に実をつけるサクランボ。はしごなどを使って、サクランボ狩りを体験された方も多いのではないでしょうか。ところが、なんと50センチほどの鉢植えの木に実をつける、サクランボ鉢があるんです!


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春のお祝いにぴったりのかわいらしさ♪
実は、当ブログでも過去にご紹介しました。

サクランボ鉢のことであなたに伝えたいこと

見て 食べて 楽しむサクランボの鉢はいかが

見た目にも可愛らしいサクランボは、観賞用にもぴったり! 入学祝や母の日のプレゼントに贈ったら喜ばれそうですね。喜び過ぎて、紅い実をあっという間に食べられてしまう光景が目に浮かびますが...(笑)
なんでも、このサクランボ鉢は、30年以上ものサクランボ栽培暦が培った、特別な技術によって可能になったそうです。可愛らしいサクランボ鉢についてもっと知りたくて、独自の栽培技術を確立した「大塚施設園芸」の大塚博美さん(73)に会いにいってきました。

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母の日のころ実がなるサクランボの花

果樹栽培の転機を好機に
長野県北部に位置する小布施町は、ブドウや桃、リンゴなどの果樹栽培が盛んな地域です。「大塚施設園芸」は、園主の大塚博美さんと、奥様の直子さん(71)のお二人で、できる範囲で生産しています。博美さんは、元はリンゴの専業農家を営んでいました。その後、ブドウやハウスブドウ栽培へと移行しましたが、1970年代の果物輸入自由化によって、それまでは夏秋にしかスーパーに置いていなかったブドウが、一年中食べられるようになりました。それを受けて、ブドウからハウスリンゴへ、そしてサクランボ栽培へと、時代を見ていろいろな品目を生産してきたのです。

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「大塚施設園芸」の大塚博美さん

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「嫁に出すんだから綺麗にしなきゃ」と仕上げをする直子さん

自然の力を利用した応用技術
サクランボ鉢の栽培にあたり、博美さんは苗木の冷蔵による休眠と小鉢による養成の2つの特許を取得しています。しかし、実際には他にも数多くの応用技術があるからこそ、たった50センチほどの木においしい実をつけることができるのです。技術の確立まで、10年以上費やした博美さんの栽培技術の特徴は、生育環境を変化させる環境操作によって成熟遺伝子を作用させ、栄養成長(苗木が育って花はつかない)よりも生殖成長(花がついて実がなる)を促す方法で栽培すること。現在では、遺伝子組み換え大豆やトウモロコシなどが存在しますが、遺伝子そのものを操作しなくても生育環境を変化させることによって、もともと植物のもっている遺伝子を作用させられる技術です。この技術は、落葉広葉樹なら理論的には応用ができるそうで、博美さんは、現在もサクランボの他に、桃や栗、クルミ、リンゴ等での応用技術を研究しています。
博美さんの技術を習得したい方のために、有料で栽培技術のコンサルタントも行っており、現在会員は15名ほど。大学教授から講演依頼もあったそうです。

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10年経過したサクランボ鉢。背丈程の高さだから作業がしやすい

サクランボ鉢でさらなる夢を描く
30年以上もサクランボ栽培に取り組み、特許をはじめ、いろいろな応用技術を習得している博美さんに、次の目標についてお聞きしました。現在はサクランボ鉢を出荷するまで、台木の挿し木〜接ぎ木〜冷蔵庫で休眠〜温室で生育という行程を経て、3年目に実をつけたサクランボ鉢として出荷していますが、この期間をなんと1年に短縮することだそうです。もちろん、食べておいしい、商品価値のあるサクランボが実ったサクランボ鉢です。このように、さらに上を目指す姿勢があるからこそ、今の成功があるのでしょう。

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2年目でも実はなるが、食べておいしい実がなる3年目まで出荷しない

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実を1粒ずつ包んで、大切に届けます

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おいしく食べてもらうため、食べ頃を伝える手作りシール

見て、食べて、何度もおいしく!
大塚施設園芸のサクランボ鉢は、生育期間を短縮させるだけではなく、食べておいしいサクランボが実っているからすごいんです。博美さんは、「佐藤錦には、やはり6月の日差しが必要なんだ。ハウス栽培では、どうしても自然にかなわない部分もある...」と語り、常においしさを追求しています。見て楽しい、食べておいしいサクランボは、消費者には嬉しいですね。大塚施設園芸から出荷されるサクランボは、地元の直売所でもすぐに売れてしまうほど人気だそうです。

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大塚施設園芸のサクランボ鉢は、東京などの市場に出荷されるほか、インターネットなどでも購入できます。

サクランボの大塚施設園芸ウェブサイト

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