果物

秋の訪れを伝えるりんごが届くころ

sun_tsugaru-s.pngご存知ですか、この地球にはりんごって、種類が1,000種以上もあるのです。でもそのなかで、日本列島の風土、気候に合った品種はだいたい20種くらいなんだそうです。統計によれば、りんごは沖縄県をのぞく46都道府県で収穫されています。もちろんりんごが比較的冷涼な地域に適していることはまちがいなく、なかでも青森県とわが長野県の収穫量が突出しています。こうしたりんごの中でも、夏の終わり頃からマーケットなどに並ぶのが「つがる」です。果皮が緑がかった黄色に赤い縦縞があるとても美しいりんごです。信州では早いものは8月から収穫され、9月に収穫の最盛期をむかえます。長野県果樹試験場の「平成17年リンゴ肥大調査」では平年よりも少し良いようで、期待できます。早生種である「つがる」は、秋を告げる「旬のリンゴ」として定着しています。

なぜ信州なのにつがるなのか?
「つがる」は、20世紀前半の1930(昭和5)年、東京と神戸をおよそ9時間でつなぐ特急「燕(つばめ)号」の運転がはじまった年に、青森県りんご試験場が「ゴールデン・デリシャス」と、ある品種のりんごの花粉とを交配して生まれたのですが、その際、組み合わせを書いたラベルを紛失してしまったために、ながらく花粉親が不明でした。花粉親不明のまま、その実は1943年(昭和18年)に「味のよいりんご」として注目されるようになりますが、当時は冷蔵庫も未発達で、保管のため普通の倉庫におくと果実表面に油が浮いてくることや、色もあまりよくないなどの理由から、命名・登録が延び延びにされていました。

しかし、いろいろな場所で嗜好調査のために一般の人々に食べてもらいますと、これが圧倒的な人気があって、しかも、青森県外では、8月に採れる味のよいりんごとして「ゴールデン不明」「不明7号」「高月」「紅林」などの名で、やがて注目されはじめます。特に長野県では栽培が盛んになっていき、青森県は1970(昭和45)年に「青り2号」と仮に命名(韓国では今でもAoriという)し、ついで1973(昭和48)年に「つがる」と名づけて登録申請され、ベトナム戦争が終結した1975(昭和50)年に晴れて登録されました。そのとき、漢字の「津軽」という品種がすでにあったので、ひらがなで「つがる」と命名されたようです。1990(平成2)年には、弘前大学の遺伝子診断により、晴れて花粉親は「紅玉」と特定されました。

生まれこそ青森県の「つがる」ですが、育ちは長野県のリンゴです。統計的にも、けして、青森県の津軽地方で収穫されたものは多くなくて、長野県が全国生産量の約三分の一を占めています。

信州各地の高原で、袋をかけずに充分に日光を浴びて育ったのが「サンつがる」で、甘味と果汁が一段と増して「おいし?く」なっています。実は「サンつがる」はJA全農長野の登録商標なんですよ。

おいしい「つがる」を食べてください
全体に赤くなる頃が食べ頃とされていて、果肉はち密で果汁も多く、酸味が少なく、甘味が強いのが「つがる」の特徴です。皮のべとつきがワックス処理のように思われることがありますが、これはりんごのもつオレイン酸やリノール酸が果皮を溶かしている状態で、りんごが自らを守るために生じるものです。リノール酸はビタミンFとして注目が集まっており、当然のことながら、食用上問題はありません。

おいしいりんごの見分け方は、形がいびつでなく、とにかく硬く実がしまっているものを。なんであれりんごはとにかく固くなければ美味しくありません。有袋のほうが色はきれいですが、味では無袋栽培のもののほうが一枚上かもしれませんね。りんごについているべたべたした白い粉は、花粉のようなもので、果実それ自体が作った実からでてきた粉です。いうならばこれがついているもののほうが新鮮であるということになります。りんごの上のほうだけ赤くて、下の花落ちの部分が青いのはまだ若い証拠ですから、やはり下のほうまでうっすらとでもいいから赤い色がついてきているもののほうがよいでしょう。りんごの保存方としてはジップロックの袋に密封して冷蔵庫に入れておくことがいちばんです。

信州産の「つがる」は、まもなく盆明け頃から出荷がはじまる予定です。

医者を遠ざけるりんご
西洋の「1日1個のりんごは医者を遠ざける」という諺のとおり、りんごには栄養素がいっぱいです。カリウム、カルシウム、鉄、食物繊維、ビタミンC、有機酸などが多く含まれ、疲労回復や高血圧の予防、貧血予防などによいとされています。また、良質なペクチンがたっぷり含まれており、整腸作用、大腸がんの発生の抑制効果があるといわれています。りんごは低カロリーのうえ、りんご糖は血糖値を上げないダイエット食品です。美容にも効果的!!

夏の強い日差しと、夏休みの家族サービスで疲れたお肌と肉体の疲労回復にはピッタリの果実なのです!!

この機会に、是非、おいし?い信州産「つがる」をご賞味ください。

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農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。

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