信州食材を楽しもう♪ 門前茶寮 弥生座

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ふわぁ~と立ちのぼる白い湯気、中から現れたのは色とりどりの信州野菜や信州牛。そして沸き上がる歓声!! 9寸角(約27cm)もの大きなせいろ蒸しがテーブルに運ばれ、その大蓋をとった時の様子です(写真は蒸す前のもの)。ここ数年のヘルシーブームをうけ人気の蒸し料理ですが、今回ご紹介する「門前茶寮 弥生座」では、1995年12月のオープン以来20年近く、せいろにこだわり、食材にこだわったせいろ蒸しをはじめとする創作郷土料理を提供しています。

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善光寺門前の穴場的ほっこり空間
長野市善光寺門前。表参道から善光寺へ向かう最後の信号を左へ曲がると、もとは江戸時代の畳問屋であったという雰囲気のある町屋づくりの建物があります。店内に入ると高い天井に太い梁、民芸調のテーブルや椅子。通り土間を進めば、奥座敷や階段箪笥をのぼる2階部屋と、いろいろな空間が広がります。非日常空間のように感じながらも、ほっとするのは日本人の心根でしょうか。

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上:1階テーブル席 左:階段箪笥
右中:2階テーブル席 右下:うちわにも趣が

旬の信州野菜と信州牛を味わう
名物「門前のせいろ」

早速いただいたのは、その名も「門前のせいろ」(1,800円+税)。

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女将さんが蓋をあける瞬間

信州牛(100g)はもちろん、飯綱町の山菜・とうもろこし・ズッキーニ、中野市のアスパラガス、飯山市のきのこなど、北信濃の野菜10数種(しかも一切れが大きい!!)に、野沢菜おこわと茶碗蒸しが付きます。旬の野菜を程よく下ごしらえし、一気に蒸すこと、約3分。冒頭の感動へ・・・。素材それぞれの食感に加え、何と濃厚な味わいの野菜たちでしょう! ついつい多用してしまいがちですが「甘~いっ!」信州野菜本来の味わいが存分に生かされていることを感じます。たれはごま・ポン酢をお好みで。

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蒸し上がったばかりの「門前せいろ」

多くの人々に愛され続けてきた
美味しさの秘密は特製せいろに

大きなせいろは南木曽町の工房の特注品で、「木曽五木(ヒノキ・サワラ・アスナロ・コウヤマキ・ネズコ)」のサワラを使用しています。「ヒノキによく似た木目の美しいサワラですが、ヒノキ程香りが強くないため食材本来の味を楽しめる」と女将の武井久美子さんはいいます。9寸という大きさにこだわった理由は「松花堂弁当」と同じ大きさにありました。「蓋を開けた時の感動を! 特に女性は好きでしょ、松花堂弁当。お客様の声が楽しみで張り合い」と笑いながら話してくれました。

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木曽五木のサワラ材で作られた9寸角のせいろ

「そもそも、なぜ蒸し料理を?」との編集部員の問いに、「信州では昔からおやきやおこわなど蒸し物が盛んで、単純な料理法ながら素材の味そのものが味わえるから、ここ門前で広く長野の食材の良さを伝えたい」と。また、「そのためには、より良い素材・食材が大切」とのこだわりも。

野菜や山菜、信州黒豚、地鶏など、
厳選素材のメニューが豊富にそろう

信州野菜をもっと味わいたい方には「信州野菜せいろ」(800円+税)がおススメ♪

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蒸す前の「信州野菜せいろ」

緑・赤・白・黄色・・・と、キラキラ輝く宝石箱のような12~13種の野菜がてんこ盛り! ごまだれが野菜の甘さを一層引き立てます。「野菜ばかりじゃぁ~」と侮ることなかれ! 大きくカットされた野菜は歯ごたえよく、食べごたえも満点です。ここ数年増えた外国人観光客の方(特にベジタリアンの方)にも大人気のメニューです。
野菜も肉もいろいろ食べたいという方には、信州牛(150g)ほかが味わえる「山のせいろ蒸し」(2,800円+税)や白馬山麓の信州黒豚の「豚ロースせいろ」(1,400円+税)「地鶏せいろ」(1,500円+税)などもあります。

門前町ならではの料理もあります。「山里の生麩田楽花かご弁当」(1,450円+税)。 その昔、善光寺名物の一つだったという「田楽」と、今も名物の「精進料理」を組み合わせて創作したオリジナルメニューです。

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「山里の生麩田楽花かご弁当」

京都の生麩に、ごま・ふき・くるみの信州味噌といった厳選素材をのせてこんがり焼き上げた田楽、冷やしアスパラのトマトジュレ、信州新町の淡竹とニシンの煮物、ぜんまいなどの小鉢と野沢菜おこわが、戸隠の竹かごに盛り付けられたかわいらしい逸品。冷やしアスパラのトマトジュレは、爽やかな初夏の味でした!

忘れていけない信州の地酒ももちろんあります。今回いただいたのは、同じく善光寺外苑、西之門町にある酒蔵よしのやの「大吟醸 西之門」。香り高く華やかな中にも清酒らしい味わいが残り、大変美味しくいただきました♪

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「大吟醸 西之門」。ひたし豆をつまみに

スイーツ&おやつも信州らしく
地元ブランド「オブセ牛乳」のミルクをベースにした、旬の野菜や果物のアイスもあります! ちなみに、この日は地元産のあんずとブルーベリー、そして、青ジソ! ブルーベリーと青ジソのアイスをいただきました。完熟ブルーベリーは濃密に甘く、青ジソは初体験でしたが、ミントより控えめながら青ジソ感を堪能できる涼やかな一品で、あとひく美味しさ♪ 一緒にいただくそば茶にも心癒されます。

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ぜんざいや自家製ケーキといった甘味のほか、「そばの薄焼き」など信州の「おこびれ(おやつ)」も充実。昼からの通し営業なので、善光寺参りを終えてほっと一息したい方はお休み処にどうぞ。

手仕事の良さを伝える農民美術館
2階は、農閑期の手仕事から発展した木彫りの工芸品など「農民美術」(県伝統的工芸品指定)の展示スペースになっており、そこで食事をいただくことも出来ます。店名の「座」は、「満座」「車座」といった人々が集い語らう場にしたいとの想いを込めてのこと。「くらしの身近にあって自然と握手」。そんな信州農民美術の言葉がぴったりの空間で、一つひとつ違った味わいの工芸品を眺めながら信州の創作郷土料理をゆったり満喫してみませんか?

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手仕事の素朴さやぬくもりを伝える展示スペース

まもなく7年に一度の御開帳
いよいよ来春には、7年に一度の御開帳を迎える善光寺さん。当ブログをご覧のみなさん、信州そばやおやきに加えて、「信州のせいろ蒸し」も覚えていただけましたか? 表参道から脇に入っているため、観光でいらした方がふらっと訪れるというより「調べてわざわざ目指してきた」という方が多い弥生座に、ぜひ訪れてみてください。春には山菜、秋には根菜(大根やごぼう)など、季節ごとに旬の野菜たちがお目見えします。こちらもどうぞお楽しみに。

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夜の会食にもおすすめの弥生座

信濃の創作郷土料理 門前茶寮 弥生座
〒380-0841 長野県長野市大門町503
TEL:026-232-2311
FAX:026-232-3312
営業時間:11:30~20:30
定休日:火曜日・第2水曜日


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