食育・健康

野菜のもう一品で健康長寿!塩尻発「大根の粕漬け」レシピ

大根の粕漬け

寒い日と暖かい日が交互に訪れ、本格的な冬の足音が聞こえてきました。そろそろスタッドレスタイヤに交換しなければ・・・と考えるこの時期に、もう1つ行っておくべき仕事があります。それは、たくあん漬けです! 晴れた日には、あちらこちらの家で漬物を仕込む姿が見られます。

信州人の健康のもとは発酵食にあり!

野沢菜漬け

 

先月、野沢菜の収穫「初冬に盛り上がる、高ければ高いほどおいしいものって?」の記事を掲載しましたが、信州の多くの家庭では、野沢菜漬けが終わったら、次はたくあん漬けを行います。昔は、野菜の少なくなる冬に備えて漬物にしていました。今ではスーパーやインターネットで年中新鮮な野菜が簡単に手に入りますが、漬物があればおかずが一品増えるし、長野県民はお茶請けにも漬物を出すので、今の時代にも漬物は欠かせないんです。

おいしく漬けるコツは?
1本1本丁寧にまぶること!

ところで、「たくあん漬け」は、一般的には炒り糠(ぬか)などを混ぜて漬けますが、酒粕を使ったおいしいたくあん漬けがあると聞いて訪ねてきました。教えてくださったのは、松本盆地の南端、県のほぼ中央に位置する塩尻市で、葉洋菜を中心とした野菜農家を営む平林道子さん。なんと、九州出身だそうです。長野県に嫁いでから、いろいろな漬物を覚えたそうで、このレシピもご親戚の方に教えていただいたそうです。地元JA塩尻市の女性部活動の際に「大根の粕漬け」を持参したところ、おいしいと評判になり、この漬け方が広まったそうです。では、さっそく作り方をご紹介します。

大根の粕漬け

大根の粕漬け
材料 かた大根(漬物用の大根)13kg
砂糖2kg
酒粕4kg
塩600g
焼酎(35度)900cc
たくあん漬けの素(Aコープ)45g
用意するもの 漬物用の樽(重石がのるものなら、コンテナ、バケツなどでも代用可)

重石(ペットボトルで代用可)
作り方 1.大根を軽く洗い、水を切る。一晩置いて、自然乾燥させる。   2.調味料(酒粕、塩、砂糖、焼酎、たくあん漬けの素)を全部混ぜ合わせる。   3.大根1本ずつ、まんべんなく調味料をぬる。(地元の方言では「まぶる」)   4.重石が傾かないように、大根を平らになるように並べる。   5.大根の上に板をのせ、その上に20〜30kgの重石をのせて涼しい場所に置く。   6.水が上がったら、大根がひたひたになるくらいの軽い重石に交換する。   7.時々(週1回くらい)様子を見ながら、重石を軽くしていく。
※重石が重いままだと、水分が抜け過ぎて、潰れて変形してしまう。
  8.2か月ほど経ったら、食べごろに。
ポイント ・調味料を大根にぬるときは、1本ずつ丁寧にぬる。
このひと手間で、均等においしく仕上がります。そのために、大きめの樽で漬けるといいそうです。
  ・温かい地域では、冷蔵庫で保管する。
温かい場所に置いておくと、酸っぱくなってしまいます。
大根の粕漬け

 

大根の粕漬け

 

大根の粕漬け

 

大根の粕漬け

 

大根の粕漬け

 

大根の粕漬け

 

大根の粕漬け

 

大根の粕漬け

 

「初めてでも作れそう!」と、作り方は意外にも簡単そうです。ただし、どんな味に漬かったのかわかるのは、食べごろになる2か月後までお楽しみです。おいしく漬けられるようになるには、長年の経験が必要だそうですよ。

食文化の豊かさを物語る、信州の漬物事情

道子さんは、畑で採れた野菜を使って、冬だけでなく年間を通して7種類くらい漬物を作っているそうです。中でも、長期保存がきくキュウリの醤油漬けはごはんのお供に最高です。
昔ながらの家には年中涼しい土蔵があったので、漬物を置いておくのに最適でした。今でも漬物作りが盛んな信州では、漬物用冷蔵庫を持っている家庭もあり、いつでもおいしい漬物が食べられます。

信州の漬物

 

厚生労働省の調査で、平均寿命が全国一の長野県。世界でもトップレベルだそうです。要因の一つとして、野菜の摂取量が多いことがあげられていますが、一方で塩分の摂取量が多く、かつてはそれほど長寿県ではありませんでした。県全体で取り組んでいる減塩運動などの効果があって、平均寿命が延びたとも言われています。手作りの漬物なら塩分も調整できますね。みなさんも、手作りの漬物を一品プラスして、健康長寿を目指しませんか?

この記事を書いた人

ピーチちゃん

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