新信州暦 空気に果実の匂い混ざりはじめて
9月、長月です。長月は「夜の長い月」のことです。朝晩は少し肌寒いほどに涼しくなりました。そのため昨日など『あれっ、もう衣替えだっけ?』なんてちょっと勘違いをしてしまいそうでしたが、それはまだ1ヶ月も先。しかし日中はまだ蒸し暑さを感じるせいでしょうか、長野市街地を歩く通勤途中のサラリーマンはまだほとんどが半そでのワイシャツ姿。そんな今週の午前中は朝からたくさんのセミが、これが最後の一鳴きというように驚くほどうるさく鳴きまくっています。(図は 矢野顕子さんのアルバム「長月 神無月」のジャケット)
仕事から帰り、夜家の中にこもった昼間の熱を放出しようと窓を開け放せば、あっという間に家中を涼しい風が通り抜け、すぐに居心地のいい温度になりますが、ともすると肌寒さを感じる程。しかし窓を開けていた隙間からは虫の音が耳に心地良く、たまにはテレビを消してこの虫の音に耳を傾けるのもいいもので、秋の夜長を感じさせてくれます。
このほど8月15日現在の水稲作柄が発表されました。それによると県内は「やや不良」ということでしたが、8月中旬以降は天気が回復したことにより稲の生育はおおむね良好ということで、作柄は「天候が順調に今後推移すれば」の条件付で回復の可能性有り。是非ともそうであって欲しいと願うところです。
先週県内では、春先に雹(ひょう)の被害を受け表面に傷のついたリンゴ「つがる」が、低価格で販売されました。また10月には同じくひょう害の影響を受けたリンゴ「シナノゴールド」も販売される予定であり、農家が丹精こめて作り上げた苦労と自然という名の脅威に思いを馳せながら、通常のものと味覚に違いのないこの産物を是非大勢の人に味わってもらいたいと思うのでした。
秋ナスが食卓を占領する今、空気に果実の匂いを感じながら、なにか珍しい野菜はないかしらと直売所を覗いてみれば、まず目を引くのは野菜ではなく果物のモモです。大きくて十分に甘味ののったモモの代表格である川中島白桃が今年はこの時期まで長い期間店頭に並び嬉しいかぎりですが、そうはいってもこのモモの時期もまもなく終わり。ついつい買いだめしてしまいました。そのほか梨にブドウにとまさに今は果物の秋を実感します。梨は「幸水」が最盛期。クールな甘さでシャリッ、サクッと歯ざわりが良く瑞々しい青梨はとても美味しく感じます。さらに梨は今後「豊水」そして甘味の強い「南水」へと品種を変えて、これからの時期、運動会や行楽シーズンなどのお弁当のお供として引っ張りだこになるでしょう。
また全国有数のブドウの出荷量を誇る県北部の須坂市をはじめ、県内各地では露地もののブドウがその量を増やしてきています。県中部の塩尻市では10月31日まで「信州しおじりぶどうまつり」も開催され、期間中市内に点在する観光農園約20箇所では大人600円の統一料金でぶどう狩りが楽しめるということですが、最近の朝晩の寒暖差が大きいために糖度が高いできという話を聞きました。
夏場の代表野菜である真っ赤なトマト。そのトマトを収穫して、自家用トマトのケチャップづくりが県内各地のJA女性部によって行われています。自分で作るケチャップは、保存料などの添加物が入らず体に安全で美味しいと好評で、毎年このケチャップ作りが楽しみの活動となっているところが多いそうです。
新米の時期まであと少し。その時期が待ち遠しいこの頃ですが、新米がでるまでのこの時期は一年の中で一番お米が古い時期なわけで、そんな時はご飯にちょっと味付けをして炊き込みご飯にしてはいかがでしょうか。県北部・須坂市の伝統野菜である“村山早生ゴボウ”は他のゴボウよりも収穫時期が早く、まさに今が旬。そんなゴボウを入れて炊き込んだご飯は、ゴボウの香りとお醤油のこげた匂いが鼻をつき、ついつい食欲が進みます。信州郷土料理の第一人者横山タカ子先生の「村山ゴボウの炊き込みご飯」(写真)のつくり方を参考に。
マツタケの日本一生産量を誇る長野県で、全国初の「まつたけ山管理士認証制度」がはじまりました。この認証制度は、県特用林産振興会が創設したものです。菌の生態や松林の管理に正しい知識をもつ人材を増やして安定した生産量を確保し、「マツタケ王国信州」の地位を揺るぎないものにしたいという考えでおこなわれたもので、同会の各支部から推薦のあった11名に認定証の交付がされました。またまつたけ山管理士への登竜門としての「まつたけ山管理能力検定」には60人もが筆記試験に挑戦したということです。
川上犬、知っていますか? 長野県南佐久郡川上村を原産とする日本犬です。川上村の川上犬基礎情報のページには「運動能力が高く、野性味が強い犬で、山梨・埼玉・群馬・長野にまたがる秩父山塊のヤマイヌ(ニホンオオカミ)が飼い慣らされたもの」という説が掲載されています。川上村の信州川上村保存会では、県の天然記念物に指定されている川上犬をキャラクター化した携帯ストラップとピンバッジの販売を行なっています。このバッチ、ストラップの値段はともに500円。お問い合わせは保存会事務局(〒384−1405 長野県南佐久郡川上村大深山542 南佐久南部森林組合内 川上犬保存会 電話0267−97−2518)まで。
*巻頭のカバー写真を入れ替えました。先週末、長野県中部の塩尻市にあるJA直売所をのぞいてみたところ、桃、りんごの「サンつがる」や夏野菜などとともにナシの「幸水」が店頭に並んでいました。本格的な果物の秋に向けてのリレーの時期、ちょうど旬をむかえた「幸水」を撮影後購入。甘くてみずみずしい! おいしーい! 今月中旬には塩尻市では露地で作られている特産ぶどう「ナイアガラ」が旬に。これからは信州全体が果物王国の季節となるので楽しみです。
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●先週の新信州暦に、二百十日は「農家の三大厄日のひとつとされ、嵐が来ると恐れられるようになったが、今では根拠はない」とあります。しかし今年はこの暦どおり、二百十日の前日に台風11号が本州に近づいてきました。東経160度あたり、伊豆の八丈島を過ぎたところで北東に経路をかえて房総半島をかすめたので、かろうじて上陸は避けられ、長野県も暴風雨圏にふれることはありませんでした。昨年からまだ上陸した台風がひとつもないとはいうものの、これからしばらく台風シーズンが終わるまでは農家は頭を高くして寝ることはできません。9月2日は古代ギリシアのアテネで、毎年、アリアドネとディォニサスのふたりの神を讃えるブドウ酒祭りが行われた日です。
4日の深夜、5日の午前1時頃が満月です。9月の満月をいつでも「ハーベストムーン(収穫月)」と呼ぶのではなく、秋分の日(今年は9月23日)に最も近い満月が「ハーベストムーン」となりますので、今年はつぎの満月(10月4日)がハーベストムーンです。中秋の名月も10月です。この4日深夜の満月は、夏の最後の満月にあたり、北米大陸の先住民は「黒い蝶々の月」「小さなトチの実の月」「ものみな育つ生命がピークを迎える月」などと呼んでいました。この月を過ぎると、野菜や果実の生長はピークを過ぎて、つぎの満月のころには収穫の時を迎えます。
5日から6日にかけての9月の第1土曜日や日曜日には、木祖村の衣更着(きさらぎ)神社や、あの木曽義仲が平家追討のために京にあがる際、戦勝祈願をした木曽郡木曽町の南宮神社(写真)など、木曽地方の神社で祭礼が行われます。翌7日が義仲が平氏討伐のために挙兵した日と伝えられているのと関係があるからでしょう。
8日と9日は北信州の野沢温泉村(下高井郡)の湯澤神社でとうろう祭。江戸時代から続く伝統的な祭りで、村に伝わる伝統芸能が披露されます。天狗の面を付けた猿田彦、獅子舞、三十六歌仙の神楽が各所で舞われ、各種の燈篭がロウソクの火を灯しながら燈篭行列が長く続きます。
春の終わりから9月いっぱいまで続くのがハエやノミの季節ですが、4月にひとつがいだったイエバエが、この5ヶ月間で、なんと9世代も生きるのです。この9世代のイエバエが、全員(?)生き延びたとすると、なんと336兆匹にもなるというから、驚きです。またノミは、自分の身長の150倍の距離を、高く、あるいは長く、いちどに跳ねるそうです。自分の身長の150倍の距離ですよ。身長170センチの人だって260メートルをひと跳ねで飛ぶことはできませんから、これも驚き。せっかく調べたのだから、この季節にお知らせしておきます。
長野県の秋の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより
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コメント
チャッピー様
コメントありがとうございます!
そうですか、30年ぶりですか・・よくぞ長野へおいで下さいました。ありがとうございます。
白馬の大雪渓なんて、うらやましいです!!私が今一番登りたいと思っている山なので・・・でも天候が安定しなくて今年は無理と思っていたのだけれど、そういえば8月下旬は天気が回復しましたね。登山、そして旅行は楽しめたでしょうか? きっと家族の心に刻まれたいい旅行だったのでしょうね、いいお話をありがとうございました。
投稿者 管理者 : 2009年09月03日 18:33
山地様
コメントありがとうございます!
温泉が気持ちよく感じる時期、ちょうどリンゴも味がのって甘味を増し、長野県は美味しいりんごがたくさん採れる頃となります。
でも地域によって味が異なるので、またイロイロ食べ比べをしてみてください。
投稿者 管理者 : 2009年09月03日 18:21
だい様
コメントありがとうございます。
「長野県の美味しい食べ方」をご購読いただいているということで、ありがとうございますm(^^)m
私どもの職場内に、スズムシを飼っている人が居りまして、当初10匹のものが20年後の今その数は10,000匹ということです。彼女曰く「可愛くて仕方ない」とか・・・
今年のマツタケはどうなのでしょうね、ボツボツ出始めていはいるそうですが・・・今現在では「悪くない出来」とのことですが、天候がとても左右するそうで、このままダラダラと気温が下がっていくならば、いいマツタケが期待できるそうですが・・・
川上犬は、(しかも小さいときは特に)可愛いので、つい手を出してしまいそうになりますが、気が強く、すぐにガブッツとやられること間違いなしです。でも飼い主には従順で、また小型犬ながら大きなクマなどにひるまず立ち向かっていく勇敢さをもつスゴイ犬なのです。
長野県の気になる情報などお寄せいただければありがたいです。これからも引き続きよろしくお願いします!
投稿者 管理者 : 2009年09月03日 18:17
8月下旬に長野に行ってきました。今回は大雪渓から白馬山頂まで登りました。帰りには30年ぶりに妻籠に行きました。変わらない景色にほっとしました。涼しい北の白馬村からホットな木曽まで、3泊4日の貴重な家族旅行でした。
投稿者 チャッピー : 2009年09月02日 22:05
信州と言えば果物の宝庫・・中でも毎年秋に家族で温泉に行く途中街道で食べるリンゴ(何時も買って買える)が最高だ。
投稿者 山地 清 : 2009年09月02日 20:18
もう夏も終わりに近いていますね。私の実家でも
鈴虫を飼っているのですが朝と夕方には美しい
音色を奏でています。今年の稲は天候しだいで
良くも悪くもなるみたいですね。やはり地球環境の
変化によるものなのでしょうか?
今年最初のマツタケはどんな味なのかすごく
楽しみにしております。
川上犬というのですか?初めて知りました。
犬の種類は本当にたくさんありますね。
今回もとても勉強になりました。
投稿者 だい : 2009年09月02日 16:17
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