新信州暦 盆踊りが終われば秋の気が立つ頃
朝からビチャビチャと雨が降っていたり、また翌朝は太陽が眩しいほどであったりと、めまぐるしく天候が変化しているこの頃、午前中カラリと晴れた昨日(火曜日)は「やっと我らの出番!」とばかりにセミたちはまるで胸を張っているかのようにひとしきり大きな声でうるさい程に鳴いていました。この懐かしい声に『な・つ・だ〜!!』とようやく待ちに待った夏の訪れを感じることが出来たひと時でした。
それでも街に出れば、長野市街地は大勢の子供達が道を歩き、アーケードには月遅れの七夕飾りのキラキラと光るテープが風に揺らめき、またどこからか賑やかな音楽が聞こえてきたりして、なんだかワクワクします。やっぱり夏はなんか楽しそうでいいなぁ〜って思います。またこれからの時期、県内の各地では花火大会も数多く催されます[長野県の花火大会情報]。
先週の1日、県北部の長野市では「びんずる祭り」が、また中信の松本市では「松本ぼんぼん」が、その他も信州各地でいろいろなお祭りがありました。人々は浴衣姿に道中配られた団扇を手に手に、熱気に包まれ熱い一夜に酔いしれていました。しかしそんな夢のような時間も、目覚めればまた以前の涼しさに、呆気なくお役目御免となった団扇をうらめしくにらみながら、やっぱり「あつい〜…」を連呼しながら夏は団扇をパタパタしたいものです。
それにしてもこの雨、雨の毎日。よくもこんなに雨が降るものです。梅雨明け宣言をしてから雨の降らない日を数えると片手でたりてしまうほど。長野地方気象台によると7月の降水量は、特に県南部の飯田で最も多く、平年を40%以上うわ回りました。おかげで家庭菜園はすっかりジャングル状態。こんなにも緑に占領されると、ちょっと怖い気もします。昔は「3日3晩土用干し」といわれた梅干しですが、こうも雨が頻繁では、なかなかそのチャンスに恵まれず、今か今かとその出番を待っている状態です。
せっかくの夏休みなのですから、子どもたちは思い切り水に飛び込みたいでしょうが、周囲の川は至るところで水かさが増し、またその水も濁流となって非常に危険を感じるほど。くれぐれも水遊びには御注意を。また日照不足については、7月の県の日照時間は平均して平年の6割ほどにとどまっているそうです。みんなの元気の素であるお米についても、「穂の出が悪い」という声が至るところで聞かれ、収量が心配されます。こうも天気が悪いと、お天道さまに助長されて湧きあがる元気も出ません。わたしたちは太陽にさまざまなものをもらっていることに改めて驚かされますし、太陽のありがたさをひしひしと感じます。
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こうした状況の中、県北部の飯山市を中心としたJA北信州みゆきと、県南部の伊那市に本所を構えるJA上伊那のふたつの農業協同組合では、長雨・日照不足の対策本部を設置。北信州の特産であるアスパラガスは、地中海沿岸などの乾燥した大地が原産地ですが、この雨の影響で湿った条件を好む菌が水を媒介して伝染し、若い茎にくっ付き茎ごと枯らしてしまう「茎枯病(くきがれびょう)」の被害が多発しているなど、県内の他のJAも含めて、農産物の栽培技術や管理について農家への指導がおこなわれています。
日本有数のスイカの産地があるJA松本ハイランドのあぐり資材センター和田前広場の「すいか村」には、特産のスイカがどど〜ん(!)と一堂に並べられていますが、テーブルに乗りきらないスイカが満を持してトラックの荷台に山盛りに積みあげられていました。しかしこの肌寒さを感じる天候、生産者の反応はいまひとつで「今年はスイカが売れない・・・」と嘆く声も。とはいえこの時期だけにしか食べられないスイカを是非とも食べたいと、『はたしてどこの生産者のスイカを買おうかしら?』と迷っていると、「いろいろ食べ比べて、自分が気に入ったのを買えばいいよ」とお店の人は試食用にカットしたスイカを手渡してくれました。実際口にすると、シャリシャリとする感じがこれまで以上だったり、
また別のものはちょっと実が軟らかめに感じたりと、作っている人によってそれぞれに味が違うのがよくわかります。ここでのスイカの買い方は、スイカ村の様子を楽しみながら、そしていっぱい試食して吟味しながら納得したモノを買えばいいのです。
しかし各地で聞かれる深刻な状況も、多くの生産者が支えて新鮮な作物が集まる直売所では無縁に感じられるほどで、いずこもここぞとばかりあふれんばかりの農産物が並んでいます。この時期は野菜ひとつとっても品種が豊富。トウモロコシは”スイートコーン”をはじめ”ピーターコーン””ゴールドラッシュ””味来””ピュアホワイト”など、いったいどれくらいの品種があるのだろうと驚く程です。
また、当「長野県のおいしい食べ方」の拠点でもある県北部・長野市のJA長野県ビル前広場では、週に1度「いのちを育む農業ふれあい広場」として農産物の直売が行われていますが、先週の金曜日は真っ赤に色付いたおいしそうなモモがずらりと並び、”あかつき””白鳳”黄金桃””ワッサー”などが飛ぶように売れていきました。さらに南信の飯田でもモモの出荷がピークを迎えています。JAみなみ信州いいだ果実選果所では、透過式光センサーを使い内部の糖度・品質などを確認して出荷がおこなわれ、糖度13%以上のものを「太鼓判」「優糖生」のブランドとして販売。こちらの出荷のピークは今月上旬までです。
そうそう。頭が痛いのは天候被害だけではありません。果実類の収穫最盛期を迎えた県北部のJA中野市では、「生産者が丹精した農産物を守ろう」と、夜間に不審者がいないか園地を見回りするパトロールが行なわれています。このJA管内では毎年ブドウの加温ハウスを中心に農作物の盗難事件が発生しているので、この警備活動は随時行なわれる予定となっています。
JA全農長野では、7月28日の”菜っぱの日”から8月31日の”やさいの日”までを信州野菜月間として、信州のレタスとハクサイを使ったレシピを募集しています。抽選で100名さまにプレゼント有り。応募期間は今月31日(月)まで。詳しくは「信州野菜月間」キャンペーンサイトまで。
県東部・佐久市の佐久商工会議所と「信州佐久ケーキ職人の会」が、ケーキづくりのもとになる絵のデザイン募集を行なっています。この絵をもとにして同会の職人がケーキづくりを行いますが、ケーキ店の多く集まる佐久市をケーキの町としてPRすると共に、職人の技術向上を目指す目的で、以前にも行なわれていた企画の復活です。今回3年ぶりに再開となりました。今回のテーマは”夢”。作品は9月28日必着で、応募作品のうちの5点を10月25日に市内でお披露目の予定。詳細は佐久商工会議所の案内サイトへ。
現在好評公開中の、あの細田守監督作品のアニメ映画『サマーウォーズ』で、地球の未来を託される主人公らが夏休みを過ごす舞台となった場所が長野県上田市。この上田市と地元のJA信州うえだなどが、東京の日本テレビと協力し、「サマーウォーズデイ」と題したPRイベント「GO!SHIODOMEジャンボリー ワッショイ!2009」に上田の祭り「上田ワツショイ」を繰り出します。明日8月6日(木)に東京の汐留にある日本テレビ本社ビル前イベント広場(地下2階フロア)で行われ、上田市の特産品であるレタスの無料配布のほか、桃、りんごジュース、地元の名産品などを販売する予定です。「サマーウォーズデイ」は11時30分からスタートですので、お近くの方、ご興味のある方はぜひどうぞ。
*巻頭のカバー写真を入れ替えました。先週末、佐久市前山で撮影した朝の森です。朝の森からは色々な音が聞こえました。雨が一時的に止み、木の葉についた雫の落ちる音や風に木々が揺られる音、そして小鳥たちの元気にさえずる声。雨上がりのせいもあって、この日の朝は夏とは思えないほどの涼しさ。暑い日は森へ出かけて涼んでみるのもいいかもしれません。
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●まもなく月遅れのお盆。桃の栽培が盛んな信州の善光寺平では、桃のなかでも大きくて甘いことで全国的に有名な川中島白桃や、独特の歯ごたえと上品な甘さの川中島白鳳といった種類が店頭に並ぶころ、信州はいずこも夏祭りと花火大会の季節であり、一年でもっともにぎやかになります。この一週間、昼間の道路はどこも大渋滞が予測されていて、交通渋滞のピークは3日から15日ごろまで。でも夜になると次第にすいてきます。花火が終わるころには、晴れていればだんだん星空も見えてきて、夜空を南北に横切る天の川を中心に、いくつもの明るい星が輝いているのがわかります。
6日は満月です。この日は日本ではヒロシマの日。1945(昭和20)年8月6日午前8時15分、アメリカ軍のB29爆撃機が、広島市上空で世界初の原子爆弾「リトルボーイ」を市民の上に投下し人々の大虐殺を計りました。あれから64年。この日から3日間は日本と世界が平和について考える日でもあります。この木曜日から週末まで長野市や上田市や松本市では月遅れの、そしておそらく季節感ともふさわしい七夕行事が行われます。そして7日ははやくも立秋。二十四節気のひとつで、暦便覧には「初めて秋の気立つがゆへなれば也」と記されています。本来ならば1年でいちばん暑い頃ですが、今年の気象異変はなにをもたらすでしょうか。立秋を過ぎると、「暑中見舞い」という言葉も使われなくなり、「残暑見舞い」となります。この日を過ぎるとあとは涼しくなるばかりとされ、信州はあわただしく収穫の秋を迎える準備にはいります。
8日はナガサキの日。ヒロシマの日から3日後の午前11時ごろ、アメリカ軍が今度は長崎市の上空で爆撃機からプルトニウム爆弾「ファットマン」を市民に向けて投下し、多くの市民の生命を奪いました。8日の夜は松本市にある国宝の松本城で、夕暮れから薪能がおこなわれ、鼓と笛の音が響き、能楽師の舞は、見る人を幽玄の世界に誘います。また茅野市では市民祭りの「茅野どんばん」が、飯田市でも市民祭の「飯田りんごん」がおこなわれ、信州の短い夏を惜しむかのように人々は祭りの踊りのなかに我を忘れます。
ところでアメリカなどでは一年で最も暑い日が続く時節を「犬の日々」と呼んでいます。正確には7月3日にはじまって40日間続く「犬の日々」と呼ばれる暑くて健康にも負担の多い夏の日々が終わるのが、今月11日なのです。立秋の日とほとんどかわらないのが不思議ですよね。

ところでお盆といえば盆踊りです。そして盆踊りといえば民謡です。日本各地には民謡がたくさんありますが、そうした土地土地の民謡のなかで、昭和の時代、おそらく20世紀の100年を通して日本で全国的に有名だった信州の民謡が、「木曽節」でした。もちろん木曽節は今も長野県内では盆踊りで歌われていますし、踊られています。「木曽のナー なかのりさん 木曽の御岳 ナンジャラホーイ 夏でも寒い ヨイヨイヨイ ヨイヨイヨイノーヨイヨイヨイ」というあの妙にもの悲しい、耳に焼きつくメロディーを覚えているお方もたくさんいるでしょう。夏に御岳山に登拝したことがある人は必ず耳にしているはずです。
鎌倉時代、倶利伽羅峠の戦勝を記念した霊祭が行われた際、武士たちによって風流陣の踊りがなされ、このときの武者踊りが「木曽踊」の起こりという説があります。木曽地方の盆踊り歌はもともといくつもあり、それから長い年月を経て、大正4年に木曽福島町で木曽踊りの復活が計られたとき、「なかのりさん節」を元歌に,現在の正調「木曾節」やその踊りが作られ、この「木曽節」が次第に広く日本各地に広められたというのです。「全国一踊りやすいが、微妙な節回しで歌うのが全国一難しい」としばしば言われる木曽節ですが、なんとその歌詞は500番まであるという説があります。わかっている木曽節の歌詞ですが、天下に知られた有名なパーツは「ここ」に、そしてそのあとにえんえんと気が遠くなるぐらい長く続くのこりの部分は「ここ」に掲載されています。
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