新信州暦 寒さでリンゴにうまみが加わる時

信州は昼間から寒さを感じることが多くなり、街にはマフラーを首に巻く人の姿も多く見かけるようになりました。早くもクリスマスのイルミネーションが施されて、11月がいきなり12月になったようで、この寒空のもと華やかな雰囲気に包まれるのと同時に、それは早くも1年の終わりを意味しているわけで、なんだか少し急き立てられるような、妙な気分になります。

すでに紅葉はすっかり里までおりてきていて、市内中心部でも街路樹が赤や黄色へと変化しているのが楽しめますが、風に吹かれて舞い落ちたであろう落ち葉のかたまりを目にすると、もう冬がそこまで来ていることを感じて感傷的になります。3000メートル級の山々が連なる北アルプスはすでに雪化粧をほどこして、晴れた日には青空をキャンバスに、雪をまとった白い山と紅葉の素晴らしいコントラストを見せています。

冬の信州と言えば南部の飯田市周辺で作られる「市田柿」が全国的にも有名ですが、その原材料となる柿の収穫・加工がはじまっています。今年は8月にひょうが降り、その影響も心配されましたが、結果としては柿はとても豊作となりました。今、JAみなみ信州の管内では、約2,700戸の農家により柿すだれが作られ、その様子が各地で楽しめます。これから乾燥や柿揉みを繰り返して、12月上旬から1月上旬まで、およそ900キロの市田柿が出荷される予定です。

この時期長野県で収穫されるものにナガイモがあります。県中部の塩尻市では秋掘りのナガイモの収穫がはじまりました。中でも特に片丘・犬原地区のナガイモは、粘りが強く味が濃いのが特徴で、お歳暮として贈答品用の注文が多いそうです。
県内の農村女性グループなどが作る農産加工品や郷土食を一堂に集めて、商品性の向上や創作活動の活性化を図るためのコンクールが開催されますが、このたび第18回信州の味コンクールにおいて、松本市梓川の女性グループ「加工組合さくら」が開発した、
寒天生あめ「畑の宝石箱」が商品加工「菓子の部」において最優秀に輝きました。これは寒天とあめをベースに、地元の果物や野菜などを加えてサイコロ風に形成しグラニュー糖をまぶしたもので、まさに宝石のように輝く色とりどりの仕上がりです。当面、加工組合の売店と松本城売店において1パック(130グラム入)500円にて販売する予定。お問い合わせは「あずさ夢工房さくら」、電話0263−78−6183まで。

県北部の須坂市では、市内商店のおかみさんら約20人が街を盛りあげようと、「おかみさん会」を結成。蔵づくりの町並みが残る空き店舗を利用して、週末の土・日曜日に持ち寄ったリンゴや味噌などの特産品やメンバーの趣味を生かした手芸品の販売、また観光客を相手に漬け物やお茶でのおもてなしなど、交流の場となる「おかみしょっぷ」。主に県外の観光客に親しまれています。

いよいよ来春、4月から5月にかけて、県北部の長野市・善光寺が7年に一度(丑年と未年)の御開帳を迎えますが、その本堂に立てる大回向柱を引く牛が、千曲市の村山さんに飼育されている12歳の雌の和牛「杏花(きょうか)」に内定しました。杏花は御開帳開幕直前の3月29日日曜日、松代町から善光寺まで柱を運ぶ奉納行列とともに参道を歩きます。毎回多くの観光客に取り囲まれ、驚いて牛が暴れたり動かなくなったりするという心配もあるそうですが、これから舗装道路を歩かせたり、人間や車に慣らす練習をはじめていくということです。
*巻頭のカバー写真を入れ替えました。
先週すっきりしない天気の中、数時間だけくっきりと青空が見えた飯綱町のリンゴ園で撮影しました。たわわに実り色づいてきた「サンふじ」です。園主によると、これからさらに朝晩グッと寒くなると、リンゴにうまみがのってくるとのことです。背景には雪の衣をまとった黒姫山や妙高山など北信五岳の山々がそびえていました。
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●1年をほぼ5日ずつ72の時間にわける二十四節気という暦の見方によると、本日12日は56番目の節目にあたり「大地がはじめて凍る」とされる日です。信州はすでにだいぶ寒くなりました。北半球では、あと幾日かするとこの寒さがいったん緩んで日本列島が移動性の高気圧におおわれて暖かい日が続くことがしばしばあり、それを「小春日和」と呼んでいます。この冬のはじまりのときに高気圧におおわれるのは北半球では各地にあることで、北米ではこの暖かい陽気の日々が「インディアン・サマー」と名づけられています。
しかしインディアン・サマーとは厳密に言うと本日11月12日から20日までのあいだの暖かい陽気が続く日々のことを言うのです。
明日13日は満月。空気が澄んでいますので、今週の夕方は、もし晴れていたら暖かい格好で表に出て、空を見あげてください。東の空に月とアルデバランが、そして目がよければすばる(プレアデス星団)が昇ってくるのが見えるでしょう。月が明るいのは、月と地球の距離が1年で最も近くに近づいているからです。北に顔を向けると、地平線の近いところまで、空の熊(おおぐま座)が降りてきているのがわかります。
毎年11月には、夜になるとすぐ北斗七星がその一部である空の大きな熊が地平線近くまで降りてくるのです。同じ北半球のカナダの先住民であるミックマック族の人たちは、空の大きな熊が地平線に近づくぐらいにまで降りてくると、それは地上の動物たちが冬眠をするために穴にこもり、木々が樹液を地下におろして眠りに入る季節だと考えていました。

14日は満月とプレアデス星団が大接近します。15日は子どもたちの生長を祝って神社に参詣する「七五三」の日です。3歳は男女両方、5歳は男の子、7歳は女の子をお祝いするのが七五三。いくつになっても鶴と亀の描かれた袋のなかに入った白と桃色の千歳飴(ミルキー千歳飴の世代ですか?)のあの味はなぜか懐かしいものです。この日は信州では夏の間多くの観光客で賑わった上高地(松本市安曇)の閉山祭が、正午から河童橋(かっぱばし)のたもとで行われ、お酒がふるまわれます。
長野県の冬の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより
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